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イスラエル軍、ガザ南部のナセル病院を空爆、記者を含む21人が死亡、世界各国が非難

イスラエル軍、ガザ南部のナセル病院を空爆、記者を含む21人が死亡、世界各国が非難
X_Motasem A Dalloul

イスラエル軍は8月25日、ガザ地区南部のハンユニスにあるナセル病院を空爆し、数多くのパレスチナ人が殺害された。

 

2回にわたって攻撃を行う

 

イスラエル軍はナセル病院を空爆し、ジャーナリスト5人と救急隊員1人を含む、少なくとも21人が死亡、数十人が負傷したという。

 

犠牲者の中には、アルジャジーラのカメラマン、モハメド・サラマ氏や、ロイター通信、AP通信、その他国際メディアのフォトジャーナリストが含まれている。

 

しかもこの攻撃は、あえて2回にわたって行われ、最初の攻撃は病院の屋上にいた記者を直撃し、数分後、2度目の爆発が病院を襲い、現場で対応していた救助隊員、医療従事者、ジャーナリストらが死亡したそうだ。

 

また世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長によれば、ナセル病院への攻撃は、救急科や入院病棟、外科ユニットが収容されている本館を襲い、21人が死亡しただけでなく、50人以上が負傷し、既に治療を受けていた重症患者も負傷したという。

 

テドロス事務局長は、「X」への投稿で、次のように訴えた。

 

「ガザ地区の人々は飢えに苦しんでいるだけでなく、度重なる攻撃によって、既に限られた医療へのアクセスがさらに制限されている。私たちは声を大にして言いたい。医療への攻撃を止めろ。今すぐ停戦せよ!」

 

ネタニヤフ首相は「事故」と表現

 

イスラエルのネタニヤフ首相は、ナセル病院への攻撃でジャーナリスト5人を含む少なくとも21人が死亡したことを受け、「この悲劇的な事故を深く遺憾に思う」と述べた。

 

ネタニヤフ首相は、「X」に投稿された首相府の声明で、イスラエルはジャーナリスト、医療従事者、そして民間人の仕事を「重視」しているとし、次のように述べた。

 

「軍当局は徹底的な調査を行っている。我々の戦争はハマスのテロリストとの戦争だ。我々の正当な目標はハマスを打倒し、人質を母国に連れ戻すことだ」

 

しかし2023年10月に紛争が始まって以来、イスラエル軍はガザ地区で200人以上のジャーナリストを殺害し、その多くは故意に標的にされ、殺されたという。

 

中東各国がイスラエルを非難

 

サウジアラビアの外務省は、イスラエル軍による医療従事者とジャーナリストへの攻撃を強く非難。声明で次のように述べた。

 

「イスラエルによる、国際法および規範への継続的な違反を、サウジアラビア政府が拒否することを強調する。サウジアラビアは、国際社会に対し、イスラエルによるこれらの犯罪に終止符を打つよう改めて求めるとともに、医療従事者、救援活動従事者、そしてメディア従事者を保護する必要性を強調する」

 

イラン政府も、イスラエルによるナセル病院への攻撃を非難。イラン外務省の報道官は、ハンユニスの病院への攻撃は「野蛮な戦争犯罪」であり、イスラエルが「パレスチナ人虐殺」計画を推進するために犯したものだと述べた。

 

イランのエスマイル・バガエイ報道官は短い声明で、「紛争中にイスラエルに武器を供給したアメリカなどの同盟国は、イスラエルの恐ろしい犯罪に加担したとして、国際社会に対して責任を負わなければならない」と述べたという。

 

エジプト外務省も、これは「国際人道法の明白な違反」であると非難。「イスラエル占領軍によるジャーナリストや医療・人道支援従事者への意図的な攻撃を強く非難するとともに、ガザ地区のパレスチナ人に対するジェノサイドの犯罪を拒絶する」と述べ、国際社会と国連安全保障理事会に介入を求めた。

 

カタール政府も、今回のイスラエルによる攻撃を「同胞たるパレスチナ国民に対する、占領軍による一連の凶悪犯罪の新たな一幕であり、国際法の明白な違反だ」と非難。

 

カタール外務省は声明で、イスラエルによるジャーナリストと人道支援活動家への攻撃に対し、保護と説明責任の確保のため、「緊急かつ断固たる国際的行動」が必要だと述べた。

 

英・スペイン、独も非難

 

イギリスのラミー外相も、イスラエルによるナセル病院への攻撃でジャーナリスト5人を含む少なくとも20人が死亡したことを、「恐ろしい」と表明。

 

「X」への投稿で、「民間人、医療従事者、そしてジャーナリストは保護されなければならない」と改めて強調し、「即時停戦が必要だ」と訴えた。

 

スペイン外務省も、イスラエルによるナセル病院への攻撃を「甚だしい」「容認できない」人道法違反と非難。声明で次のように述べた。

 

「スペイン政府は、ジャーナリスト4名と罪のない民間人の死をもたらしたガザ地区のナセル病院へのイスラエルの攻撃を非難する。特別に保護されている施設を、標的にしてはならないことを改めて強調する。これは国際人道法の明白かつ容認できない違反であり、調査されなければならない」

 

ドイツ外務省も、ナセル病院への攻撃について、調査を要求。駐イスラエルのドイツ大使であるSteffen Seibert氏は、「またしても深い悲しみの日」とSNSに投稿し、次のように訴えた。

 

「イスラエル軍によるナセル病院への攻撃で、ジャーナリスト、救急隊員、そしてその他の民間人が殺害されたことに、我々は愕然としている。ドイツ外務省は、戦争の現実を伝えるため、国際メディアのガザ地区へのアクセスと調査の実施を要求する」

 

トランプ氏「快く思っていない」

 

アメリカのトランプ大統領も、ナセル病院への攻撃について記者から問われ、「私は快く思っていない(I’m not happy about it.)。こんなことは見たくない。同時​​に、悪夢を終わらせなければならない」と述べたという。

 

またガザ地区での戦闘について、「今後2~3週間以内に、かなり良い形で決定的な終結を迎えるだろう」との見方を示し、「飢餓やその他の問題によって、人々が殺されている。だから、この戦争は終わらせなければならない」と発言した。

 

トランプ氏は以前も、ガザ地区での停戦を約束していたが、それは実現していない。

 

ガザ地区の医療関係者によれば、イスラエルの攻撃により、8月25日の夜明け以降、ガザ全域で少なくとも61人のパレスチナ人が死亡したという。(了)

 

出典元:Aljazeera:Live: Israel attacks hospital, kills six Palestinian journalists in Gaza(8/25)

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