イスラエル軍がガザ市中心部へ進軍、絶え間ない攻撃を継続

イスラエル軍はガザ地区北部のガザ市を制圧するために侵攻を続けており、多くのパレスチナ人が避難を余儀なくされている。
パレスチナ人を海岸沿いへ追い出す
ガザ市の人々によれば、イスラエル軍は、ドローンや戦闘機を使い、また遠隔操作ロボットによる爆破を行うなど、ノンストップで攻撃を続けているという。
そしてイスラエル軍は進軍するごとに、住宅街を丸ごと爆破。現在は、ガザ市中心部付近に移動し、パレスチナ人を都市から海岸沿いのエリアへ追い出そうとしているそうだ。
しかも19日には、ガザ港に非常に近い、市街地西部を空爆。これにより、民間人3人の死亡が確認され、多くのパレスチナ人の家族が避難を余儀なくされている。
イスラエル軍は、ガザ市の住民に対し、ガザ地区南部のアル・マワシ地区へ避難するよう指示。しかしそこも安全地帯ではなく、テントも密集し、プライバシーも衛生設備もなく、人道支援のインフラも整っていない。
Israeli bombardment and remotely controlled robots with explosives are destroying Gaza City block by block, turning the skyline black with smoke and forcing thousands of Palestinians to flee. pic.twitter.com/vEsPeFao8G
— Al Jazeera English (@AJEnglish) September 19, 2025
19日には36人のパレスチナ人が死亡
イスラエル軍によれば、8月下旬以降、推定100万人が住んでいたガザ市から、約48万人のパレスチナ人が南へ避難したという。
しかし、南部への移動は困難を極めており、何千人ものパレスチナ人が、南部まで家財道具や家具を運ぶための車の代金を支払えないため、20km以上を徒歩で移動しているそうだ。
しかもイスラエル軍は、主要道路沿いの建物にも空爆を続けており、人々は昼に休むことも、夜に眠ることもできない、と言われている。
ガザ地区の医療関係者によれば、9月19日にはガザ地区全域で、イスラエル軍の攻撃により少なくとも36人のパレスチナ人が死亡し、そのうちガザ市内では、19人が殺害されたという。
ガザ地区南部では、人道支援物資を求めていた2人のパレスチナ人が殺害され、19日には栄養失調による死者が4人(うち子供1人)に上り、飢餓による死者数は合計で440人(うち子供147人)となった。
アッバス議長がリモートで国連総会に出席
アメリカのトランプ政権は8月29日、今月下旬にニューヨークで行われる国連総会に出席させないよう、パレスチナ自治政府のアッバス議長や政府高官のビザ発給を拒否した。
このためアッバス議長は国連総会で演説ができない状態に追い込まれたが、19日には国連で投票が行われ、145カ国が演説に賛成、反対は5カ国、棄権が6カ国となった。
これによりアッバス議長はオンラインで総会への出席が認められ、演説はリモート形式で行われる予定となったという。
The UN General Assembly has voted to allow Palestinian President Mahmoud Abbas to address its annual gathering of world leaders next week by video link after the US refused to grant him a visa to travel to New York.
🔗: https://t.co/aZdmmeCdXA pic.twitter.com/RaN7FL1Zvg
— Al Jazeera English (@AJEnglish) September 19, 2025
また日本の岩屋外務大臣は19日、国連総会でパレスチナの国家承認を見送る方針を示した。
岩屋大臣は「イスラエルと将来のパレスチナ国家が共存する『2国家解決』に、何が資するのか熟議を重ねてきた。イスラエルが『2国家解決』実現への道を閉ざすようなさらなる行動をとる場合には、わが国として新たな対応をとる」と述べたという。
しかし、すでにイスラエルのネタニヤフ政権は「2国家解決」を拒否しており、フランスやイギリス、カナダは条件付きで、パレスチナを国家として承認する方針を示している。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israeli forces kill 36 Palestinians as war on Gaza escalates(9/19)