ロシア軍の「MiG-31」3機が、エストニアに領空侵犯

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ロシアと国境を接するバルト3国の1つ、エストニアの領空を、複数のロシア軍機が侵犯した。
NATOの戦闘機がスクランブル発進
エストニアの外務省によれば、ロシア軍のMiG-31戦闘機3機が6月19日、許可なくエストニアの領空に侵入し、フィンランド湾上空で合計12分間留まったという。
これに対しNATO加盟国のイタリア、フィンランド、スウェーデンは、東部戦線強化任務の下、戦闘機を緊急発進させ、追跡したそうだ。
NATOの報道官は、「NATO軍が直ちに対応した」とし、今回の領空侵犯は「ロシアの無謀な行動と、NATOの対応能力を示すものだ」との見方を示した。
NATOに緊急協議を要請
NATOによれば、ロシア軍機はエストニア領のVaindloo島から3km以上離れたバルト海上空を飛行したという。
またロシア側は、エストニアの領空を侵犯したことを否定。「国際空域規則を厳格に遵守した定期飛行であり、客観的な監視によって確認されたように、他国の国境を侵犯していない」と主張した。
しかしロシア軍は先日もポーランドやルーマニアへ無人機を飛ばし、故意に領空を侵犯した。
エストニアのクリステン・ミハル首相は19日の午後、「NATO側に、NATO第4条協議を要請することを決定した」と明らかにした。
この要請により、NATO条約第4条に基づき、32カ国からなるNATO加盟国による緊急協議が正式に開始されるという。
NATO加盟国が第4条に基づく協議を要請したのは、この1週間で2度目となり、ポーランドもロシアの無人機が領空に侵入した後に要請したそうだ。(了)
出典元:BBC:Estonia seeks Nato consultation after Russian jets violate airspace(9/19)