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スペインで発生したアフリカ豚熱、研究所からウイルスが漏れた可能性

スペインで発生したアフリカ豚熱、研究所からウイルスが漏れた可能性
X_@LRsecreta

スペイン北東部では、アフリカ豚熱の発生が確認されており、研究所からウイルスが漏れた可能性があるとして、調査が進められている。

 

イノシシからウイルスを検出

 

スペインのカタルーニャ州にある都市、バルセロナ郊外の田園地帯では、11月28日以来、野生のイノシシ13頭にアフリカ豚熱の感染が確認されており、日本でもスペインからの豚肉製品の輸入が一時的に停止された。

 

当初、地元当局は、スペイン国外から持ち込まれた食品、おそらく運送業者が廃棄した肉のサンドイッチをイノシシが食べたことが、ウイルス蔓延の始まりと考えていたという。

 

しかし、スペイン農業省は、カタルーニャ州で死んだイノシシから検出されたウイルス株が、他のEU加盟国で報告されている株とは異なるという結論を下し、新たな調査を開始した。

 

問題のウイルス株は研究所で使用

 

ある報告によると、問題のウイルス株は、2007年にジョージアで検出されたアフリカ豚熱のウイルスと類似しているという。

 

この「ジョージア2007」と呼ばれるウイルス株は、ウイルスの研究や現在開発中のワクチンの有効性評価のために、研究施設において感染実験で頻繁に用いられているそうだ。

 

このためカタルーニャ州のSalvador Illa州首相は12月6日、カタルーニャ農業食品研究所に対し、発生現場から20km以内にある、アフリカ豚熱のウイルスを取り扱う5つの研究施設への監査を実施するよう指示したという。

 

スペインの農業省は、ウイルスの感染例13件を確認しており、いずれも最初の発生地から6km圏内で発見されたイノシシの死骸からウイルスが検出されたそうだ。

 

また農業省によると、発生地域で発見されたさらに37頭の野生動物の死骸を分析した結果、すべてアフリカ豚熱の検査で陰性だったという。

 

さらに発生地域から半径20km圏内にある39の養豚場でも、そこで飼育されていた動物にアフリカ豚熱の痕跡は確認されなかったそうだ。

 

アフリカ豚熱はアフリカの風土病とされ、人には無害だが、豚にとっては致命的になることがあるという。(了)

 

出典元:The Guardian:African swine fever outbreak in Spain may have leaked from research lab, officials say(12/7)

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