NYで85人の子供が川崎病に似た症状、5人が死亡、新型コロナに関連か
アメリカのニューヨーク州では、新型コロナウイルスに関連するとみられる謎の症状を示す子供が多くいることが、報告された。
川崎病に似た謎の症状を示す
ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は5月10日、新型コロナウイルスに関連するとみられる新しい炎症性症候群の症状を示す子供が85人に上っていることを明らかにした。
この症状は、川崎病に似て臓器や血管に炎症を及ぼすもので、まだ原因は謎とされているが、すでに3人の命を奪っているという。
実際、5月7日にはマウント・シナイ・クラビス・チルドレンズ病院において、5歳の男の子が同様の症状で死亡。それ以前もWestchesterに住む7歳の子供が亡くなり、Suffolk郡で暮らす10代の若者も死亡している。
またクオモ知事は10日の会見で、さらに2名の子供が同様の症例で死んだ可能性について言及し、現在調査を行っていると説明した。
約半数が新型コロナ陽性、抗体のある子供も
川崎病は4歳以下の乳幼児に多く、全身の血管に炎症が起き、さまざまな症状が出ると言われている。高熱、両側の眼球結膜の充血、真っ赤な唇と苺のようにブツブツの舌、体の発赤疹、手足の腫れ、首のリンパ節の腫れの6つの症状のうち、5つ以上の症状があれば川崎病と診断されるという。
川崎病の原因として、細菌の感染、ウイルスの感染、環境物質による刺激などが上げられているが、現段階では原因は特定されていない。
ニューヨーク州ではこのような症状で苦しむ子供はこれまで73人だったが、今回85名となり、ニューヨーク市に限ってもこれまで15人だったのが、38人と2倍以上に増えているそうだ。
そして同様の症状を示す患者のうち約半数が、同時に新型コロナウイルスの検査で陽性となっており、残りの81%が新型コロナの抗体を持っていることが明らかとなっている。
クオモ知事によれば、この症例は呼吸器を蝕むというより血管や心臓をウイルスが攻撃することで引き起こされることから、通常の新型コロナの症状として現れていないため、検知するのは難しい(油断ができない)という。
また通常の症状ではないことから、今までも新型コロナと診断されなかったケースがあった可能性を認めている。
血管の炎症は、子どもたちが受診した当初は見られず、しばらくしてから出た症状だとした上で、クオモ知事は「子どもは新型コロナウイルスで重症化しにくいと考えられてきたが、そうとも言えない」と述べた。
このためニューヨーク州では全米の保健機関に対して、同様の症状について警告を発しているという。(了)
出典元:NYPost:85 NY kids stricken with mysterious coronavirus-linked disease: Cuomo(5/10)
出典元:NBC:5 NY Deaths Possibly Linked to Rare COVID-Related Inflammatory Illness, Up to 85 Children Could Be Sick(5/8)