ロシア軍の一部がキエフ周辺から撤退を開始、米高官も確認
アメリカの政府高官が、ウクライナの首都・キエフ周辺から、ロシア軍の一部が撤退し始めたと明らかにした。
軍の一部を撤退させているのを確認
ロシア国防省は、29日にトルコで行われた和平交渉後の記者会見で、ウクライナのキエフとチェルニヒフ郊外での軍事活動を「大幅に削減する」と発表した。
アメリカの政府高官も、ロシア軍が首都キエフから軍の一部を撤退させ始めていると語り、この動きを「戦略上の大きな変化とみている」と語った。
またCNNも、ロシア軍が大隊戦術グループ(BTG)を含むいくつかの部隊を、ウクライナの首都周辺地域から撤退させ始めていると、伝えている。
First signs that some Russian troops are indeed retreating from the Kyiv direction. Large numbers of BMDs with Russian and VDV flags were spotted today on their way from the Ukrainian border to Belarus’ Rechitsa and Gomel where they were loaded onto railway platforms. pic.twitter.com/6B5qTsgFRq
— Tadeusz Giczan 🇺🇦 (@TadeuszGiczan) March 29, 2022
「相互信頼を高めるため」と主張
ロシア国防相は先日、ウクライナへの軍事作戦において、第一段階の目標は達成したと述べ、今後はウクライナ東部に重点を置くと述べていた。
また29日の和平交渉後の記者会見でも、「キエフとチェルニヒフでの軍事活動を根本的に削減する」と発表。
この理由についてロシア国防省副大臣は「ウクライナとの平和協定に合意し署名する今後の交渉のために、相互信頼を高めるためだ」と述べたという。
Russia’s deputy defense minister says Moscow has decided to “fundamentally cut back military activity in the direction of Kyiv and Chernigiv” in order to “increase mutual trust for future negotiations to agree and sign a peace deal with Ukraine.” pic.twitter.com/2qDYOzAzDp
— max seddon (@maxseddon) March 29, 2022
「撤退ではなく、再配置」
しかしアメリカの当局者は、ロシア軍は現在、南部と東部の占領に集中するため、北部の一部地域で撤退しているとしながらも、ロシアはいつでも最新の動きを逆転させることができると警告。
アントニー・ブリンケン国務長官も、ロシアから和平を追求する「真の真剣さの兆候」が見られないと述べ、モスクワは「今すぐ侵略をやめ、発砲をやめ、軍を撤退させ、もちろん協議に応じるべきだ」と述べている。
また別の米政府高官も、キエフ周辺からのロシア軍の移動は「ギアチェンジであり撤退ではない」とし、次のように述べている。
「我々は、キエフ周辺からのロシア軍の移動は、撤退ではなく、再配置にあたると考えている。世界は、ウクライナの他の地域に対する大規模な攻勢が続くことを覚悟しなければならない。彼らはギアをシフトしている。ロシアが紛争を終わらせたと勘違いしてはいけない」
ウクライナのゼレンスキー大統領も、まだロシア軍の砲撃が続いているとして、「ロシア軍は、我が国に対する攻撃を継続する大きな可能性を持っている。したがって、我々は防衛の努力を減らしてはいない」と述べている。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war latest: ‘No one should be fooled’ by Russia’s troop pull back, says White House – live(3/29)