フィリピンの広告会社が、観光キャンペーン動画で他国の映像を使用
フィリピンへの旅行を宣伝する広告会社が、動画の中で他国の観光地の映像を使っていたことが明らかになった。
観光キャンペーンのビデオを製作
その広告会社とは、「DDBフィリピン」だ。この会社はフィリピン政府が6月27日に開始した、観光キャンペーン「Love the Philippines」のビデオを制作していた。
そのビデオはDDBが自費で製作し、映像にはフィリピン各地の魅力ある様子が紹介されていたという。
しかしその後、フィリピンの観光省は、DDBのビデオに「オリジナルではないショットが含まれているとの疑惑」について調査中であると発表した。
そして7月2日、「DDBフィリピン」は、動画の中でインドネシアの棚田やブラジルの砂丘など、「非常に不適切な」動画を使用したことを認め、謝罪したという。
人気ブロガーの指摘がきっかけ
きっかけは、フィリピンの人気ブロガー、サス・ロガンド・サソットさんの投稿。彼がフェイスブックに、キャンペーンビデオのいくつかの映像が他国のものだと投稿したことから、疑惑が浮上したそうだ。
メディア「AFP」のファクト・チェックチームが分析したところ、ビデオにはブラジルやインドネシア、スイス、アラブ首長国連邦の観光地などが映っていることが確認されたという。
例えば、ライステラス(棚田)の映像は、インドネシアの観光地バリ島のウブドの町のもので、砂丘の撮影場所はブラジル北東部の町、クンブコだったそうだ。
「DDBフィリピン」は「適切な審査と承認プロセスを厳密に踏むべきでした。フィリピンを宣伝するキャンペーンに外国のストック映像を使用することは非常に不適切であり、DOT(フィリピン観光省)の目的と矛盾しています」と述べ、謝罪した。
フィリピンにとって観光は重要な産業だが、インフラの貧弱さやコストの高さから、入国者数の出足は近隣諸国に比べて遅れているという。
国連の世界観光機関のデータによると、昨年のフィリピンへの入国観光客は270万人で、パンデミック前の2019年の水準から68%減少したそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Agency behind ‘Love the Philippines’ tourism video sorry for using shots of other countries(7/3)