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イスラエル軍がアル・シファ病院から撤退、内部で起きていたこととは?

イスラエル軍がアル・シファ病院から撤退、内部で起きていたこととは?
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イスラエル軍は11月15日、ガザ市にあるアル・シファ病院を襲撃したが、現在はすでに敷地内から撤退していると報じられている。

 

武器や爆発物がないか検査

 

アル・シファ病院にとどまっていたAFP通信のジャーナリストによれば、イスラエル兵らは空に向けて発砲し、病院の敷地内にいた若者たちに降伏を命じたという。

 

アル・シファ病院には、身の安全のために避難している民間人もおり、イスラエル兵は約1000人の男らを中庭に集めて、武器や爆発物がないか検査をしたそうだ。

 

集められた男性らは手を頭の上に乗せ、検査するイスラエル兵に裸にされた人もいたという。

 

イスラエル兵は夕方までには病院の敷地内から撤退し、病院の周辺で再び配置についたとされている。

 

病院内で銃撃戦はなし

 

BBCの記者が得た情報によれば、イスラエル兵は医師とアラビア語を話す人たちに付き添われ、部屋から部屋、階ごとに回り、医療従事者と患者の両方を含む全員に尋問していたという。

 

また病院の敷地内に身を寄せていた民間人は中庭に集められ、やはりイスラエル兵により、武器などを持っていないか検査を受けたそうだ。

 

さらに病院は完全にイスラエル軍によって制圧されており、銃撃戦などは起きていないという。

 

ただアル・シファ病院の医師は、ロイター通信に対し「病院の外で銃撃戦があり、病院のスタッフは安全のために、窓のそばから離れることを余儀なくされた」と述べている。

 

「アルジャジーラ」も病院関係者の話として、次のように伝えた。

 

「イスラエル軍は、(病院の)内部で動こうとする者を殺害しようとしている。誰も何もしていない。私たちは院内で、何の抵抗もしていません。一部のアメリカの報道によると、病院内にはトンネル網があるとしているが、これはまったく真実ではありません」

 

イスラエル軍が武器を発見と主張

 

イスラエル軍も、病院の敷地の外で銃撃戦があり、「ハマス」の戦闘員が4人死亡したが、アル・シファ病院内では戦闘はなく、敷地内の別の区画にいた医療スタッフや患者との摩擦もなかったと述べている。

 

またイスラエル軍のダニエル・ハガリ報道官は、部隊がアル・シファ病院で武器や戦闘装備品、機器を発見し、複合施設である病院の捜索を続けていると述べた。(すでに撤退したとの報道があり、現在も捜索が行われているのかは不明)

 

イスラエル軍は襲撃前、病院の地下には「ハマス」の司令部があると主張していたが、それが発見されたという報告はなされていない。

 

一方、「ハマス」は、武器を発見したとのイスラエルの主張を否定。「嘘と、安っぽいプロパガンダの継続にほかならない。ガザにある保健部門の破壊を目的にした犯罪を、正当化しようとしているだけだ」と述べた。

 

安保理で初めて決議案が可決

 

国連の安全保障理事会では11月15日、イスラエルのガザ侵攻に関する決議案が初めて可決された。

 

決議案では、ガザ地区全体にわたる、人道的な観点からの戦闘の一時停止と、人々が安全に避難できる回廊の設置を求めている。

 

しかも戦闘の一時停止は、完全・迅速でなければならず、人道的アクセスを可能にするのに十分な日数にわたるものだとしている。

 

また国際法の順守も要求しており、イスラエル側には民間人、特に子供の保護を求め、「ハマス」側には、人質の即時無条件解放を求めた。

 

今回の決議案には日本を含め、フランスや中国が賛成し、アメリカやイギリス、ロシアは拒否権を行使せず、棄権に回ったため、今回、侵攻後初めて採択されることになった。(了)

 

出典元:The Guardian:Israel-Hamas war live: Israel says UN resolution ‘detached from the reality on the ground’ as forces withdraw from al-Shifa hospital(11/15)

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