イスラエル政府、ガザ地区で人質になっていた31人の死亡を発表
ガザ地区で人質にされていたイスラエル人、31人が死亡したことが明らかにされた。
死亡した状況は依然として不明
イスラエル軍のダニエル・ハガリ報道官は2月6日、記者団に対し「我々は31人の家族に対し、人質となっていた愛する人たちは、もはや生存者ではなく、死亡が宣告されたと伝えた」と述べたという。
イスラエル人の人質の家族を代表する「人質・行方不明家族フォーラム」も、31人が死亡したことを確認したそうだ。
人質の死亡状況は依然として不明だが、「ハマス」側は以前から、イスラエル軍の空爆などにより、人質が死んだと主張していた。
人質31人が死亡したというニュースは、「ニューヨーク・タイムズ」紙にリークされたイスラエル内部の機密調査から初めて明らかになったという。さらに20人が、監禁中に死亡した可能性があるとの未確認情報もあるそうだ。
ネタニヤフ政権は、人質を取り戻すことを優先していないとして、イスラエルのデモ参加者や人質の家族からの批判にさらされてきた。
自軍の攻撃でイスラエル人が死亡との報道
またイスラエルの新聞「Haaretz」は、南部の「キブツ・ベエリ」で10月7日に「ハマス」による襲撃を受けた際、イスラエル軍の戦車が、人質にされている人の家を砲撃し、イスラエル人12名とパレスチナ人戦闘員1名が死亡した可能性があると報じた。
この報道を受け、イスラエル軍は10月7日の対応について、法律違反の可能性を精査するため、調査を開始したと明らかにした。
人権団体なども、多数の民間人の死亡につながった可能性のある、イスラエル軍の狂乱的な対応には疑問が残っている、と述べている。
ハマスが停戦交渉に「前向きな姿勢」
一方、ガザ地区における休戦についての交渉も進められており、カタールの首相は2月6日、戦闘の中断とパレスチナ人捕虜の解放を求める「ハマス」が、概ね前向きな反応を示したと述べた。
ガザ地区を統治する「ハマス」側は、「包括的かつ完全な停戦、パレスチナ人に対する侵略の終結」を求めているが、イスラエル側は以前、40日間の戦闘の中断を提案したものの、永続的な停戦の可能性は否定してきた。
また「ハマス」側は、イスラエルがヨルダン川西岸地区などで拘束したパレスチナ人全員の釈放も求めており、イスラエル側がそれにどう応じるかも焦点になっている。
しかしイスラエルのネタニヤフ首相は2月7日、あらためて人質解放の交渉に応じることを拒否。人質の家族に対して、次のように述べた。
「軍事的圧力の継続は、人質の解放に必要な条件だ。ハマスの妄想的な要求に屈することは、人質の解放につながらないだけでなく、さらなる虐殺を招くだけだ」(了)
出典元:The Guardian:Israel confirms deaths of 31 hostages as Hamas responds to truce proposals(2/6)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza updates: Hamas responds ‘positively’ to truce proposal(2/6)