ウクライナ外務省、AIで生成された報道官を発表、公式発表で使用
ウクライナ外務省は5月1日、AIで作られた報道官を発表した。
AI報道官の「ビクトリア・シー」
そのAI報道官は「ビクトリア・シー(Victoria Shi)」と名乗っており、今後もウクライナ外務省を代表して、公式声明を発表することになるという。
ただし「ビクトリア・シー」が発表する内容は、AIによって作られたものではなく、人間によって書かれ、検証されたものになるそうだ。
SNSに投稿された動画には、身振り手振りで、まるで本物の人間のように話す、AI報道官の姿が映っていた。
👋 Meet Victoria Shi — a digital representative of the MFA of Ukraine, created using AI to provide timely updates on consular affairs!
For the first time in history, the MFA of Ukraine has presented a digital persona that will officially comment for the media. pic.twitter.com/KTtuCVR1ku
— MFA of Ukraine 🇺🇦 (@MFA_Ukraine) May 1, 2024
実在する歌手がモデル
このようなAI報道官を使うのは、世界でも初めてとみられ、ドミトロ・クレバ外務大臣によれば導入した理由は、外交官の時間とリソースの節約のためだったという。
また「ビクトリア・シー」の容姿と声は、ウクライナ人の歌手で、リアリティ番組の出場者であるロザリー・ノンブレさんをモデルにしているそうだ。
ノンブレさんはウクライナ東部のドネツク市で生まれ、今回の取り組みには無償で協力したという。
ただしノンブレさんと「ビクトリア・シー」は別の存在として認識され、フェイクを避けるために、動画には外務省のテキスト版にリンクするQRコードが添付されるそうだ。
現在、ウクライナは兵士不足にも陥っており、先週には海外に住む戦闘年齢に達した男性に対する、行政サービスを停止したという。
これにより男性たちは行政手続きで帰国する必要があり、徴兵に直面する可能性があると言われている。(了)
出典元:The Guardian:Ukraine unveils AI-generated foreign ministry spokesperson(5/3)