チョルノービリ原子力発電所は大丈夫か?ドローン衝突後も、ドーム内で火災が継続
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2月14日、ウクライナにあるチョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所にロシア軍のドローンが激突したが、その後もドーム内では火災が続いたという。
24時間体制で消火活動
国際原子力機関(IAEA)は2月15日、「ウクライナの消防士たちが、くすぶっている火を完全に消すために、凍えるような寒さの中、24時間体制で作業している」と明らかにした。
IAEAのチームはその後、爆発現場への立ち入りを許可され、ドーム(New Safe Confinement:NSC)の被害を評価するために広範囲にわたる調査を実施。
放射性物質の放出を防ぎ、原子炉を保護するために建てられたアーチ型のドームの屋根に、穴が開いているのを確認した。しかしIAEAのチームは、その場所の放射線レベルに変化はなかったと報告している。
Russia, in its current state, needs war to maintain its grip on power, and it proves its intent to keep fighting by bombarding Ukraine every single day.
This week alone, Russia has launched nearly 1,220 aerial bombs, over 850 attack drones, and more than 40 missiles of various… pic.twitter.com/JD9blYrIGm
— Volodymyr Zelenskyy / Володимир Зеленський (@ZelenskyyUa) February 16, 2025
周囲で放射線レベルが上昇する可能性
一方、ウクライナ危機対策専門家核センターのオルガ・コシャルナ博士は、「密閉が破られました。換気システムの働きが変わり、放射線レベルが上昇するのは明らかです」と述べている。
ただし放射線レベルの上昇は、立ち入り禁止区域を超えることはないと考えられている。
IAEAは、「屋根の被覆材に燃えやすい物質が燃え広がった」との見方を示しており、延焼を防ぐ消火活動により「被害の修復作業の開始が遅れている」と述べた。
IAEAのグロッシ事務局長は、「ドローンが主要な原子力施設の大型防護構造物を攻撃し、損傷させたことは、明らかに非常に深刻な事件だ。この壊滅的な戦争中に私が繰り返し述べてきたように、原子力施設への攻撃は絶対に許されない。決してあってはならないことだ」と述べている。(了)
出典元:IAEA:Update 276 – IAEA Director General Statement on Situation in Ukraine(2/15)
出典元:METRO:Nuclear expert issues Chernobyl update after it emerges fires are still burning(2/16)