米のタンカーと衝突したコンテナ船の船長を逮捕、ロシア人だったと判明

先日、イギリスの近海で、アメリカ船籍のタンカーと、ポルトガル船籍のコンテナ船が衝突したが、その後コンテナ船の船長が逮捕された。
ロシア人の船長を英警察が逮捕
この事故が起きたのは3月10日、場所はイングランド東部の町、ハルの沖合とされている。
「Solong」号を所有する海運会社「Ernst Russ」は3月12日、コンテナ船の船長(59)がロシア人で、イギリス警察に逮捕され、拘留されていると明らかにした。
また「Solong」号の乗組員14人も、ロシア人とフィリピン人の混成だったという。下の動画は、2隻が衝突する瞬間の映像。
🚨 BREAKING: Dramatic footage reveals the moment containership SOLONG collided with anchored tanker STENA IMMACULATE in dense fog off UK coast. Video from Orca AI’s SeaPod shows both visible and thermal camera angles of the impact. pic.twitter.com/imkMOXT0km
— gCaptain (@gCaptain) March 12, 2025
過去に検査で合格していなかった
今回の事故調査については、船籍国であるアメリカとポルトガルが主導し、イギリス海洋事故調査局や地元の警察も携わっているが、衝突事故に関して不正は見つかっていない。
しかし「Solong」号が、過去に複数の安全検査に合格していなかったことが判明し、イギリスの警察が船長を逮捕した。
港湾検査の書類によると、「Solong」号は昨年7月にアイルランドのダブリンで操舵関連の安全検査に合格しておらず、「緊急操舵位置通信」でコンパスの読み取りができなかったという。
また検査官は他にも、警報が「不十分」、救命艇が「適切に整備されていない」、防火扉が「規定どおりではない」など、合計10の欠陥を発見したそうだ。
さらに10月にもスコットランドで行われた検査で、2つの欠陥が見つかったが、船が拘留されることはなかった。
結局、スコットランドからオランダのロッテルダムに向かった「Solong」号は、10日に「Stena Immaculate」号と衝突してしまう。
36人を救出、1人が行方不明
この事故では合計36人の乗組員が救助されたが、「Solong」号の乗組員1人が行方不明となったままで、捜索活動が打ち切られた。
この衝突によりジェット燃料が海に流れ出し、重大な環境被害の恐れが生じたが、環境保護団体「グリーンピース」は、地元の海洋生物への影響は、当初懸念されていたほど悪くないかもしれないと期待を表明したという。(了)
出典元:ABC News:Ship owner says arrested captain of vessel involved in North Sea collision is Russian(3/12)