イスラエルの野党党首、ガザ地区の「人道都市」を事実上の強制収容所だと批判

イスラエル政府はガザ地区において、新たに「人道都市」なるものを作ることを計画しているが、国内の野党からも批判の声が上がっている。
「強制収容所」「狂気の沙汰」
イスラエルのカッツ国防相は先日、「ハマス」と住民を切り離すため、ガザ地区に「人道都市」を作り、そこへ約200万人のパレスチナ人を収容する案を示し、すでに計画を進めていると明らかにした。
しかしイスラエル最大野党「イェシュ・アティド」のヤイル・ラピド党首は、「人道都市」を「強制収容所」と同じだと批判。「現政権の基準から見ても狂気の沙汰」だと述べた。
ラピド党首は記者会見でも、この計画に疑問を呈し、次のように問いかけた。
「住民は都市から出られるのか?もし出られないとしたら、どうやって出られないようにするのか?周囲にフェンスは設置されるのか?普通のフェンスか、それとも電気フェンスか?何人の兵士がフェンスを守るのか?子供たちが街から出ようとしたら、兵士はどうするのか?」
「住民に食料、水、電気は誰が供給するのか?もしそこで伝染病や病気が蔓延したらどうなるのか?誰が治療するのか?そして、イスラエル国民にとって最も重要な問題は、どれだけの費用がかかるのかということだ」
ラピド党首によれば、この計画には少なくとも45億ドル(約6600億円)の費用がかかり、60億ドル(約8900億円)以上に上るとする推計もあるという。
その上でラピド党首は、「ガザ地区にこの都市は建設されないだろう。これは非常にクレイジーなアイディアだ」とし、イスラエル政府が「妄想」に公金を浪費していると非難した。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)も、この計画を「強制収容所」と表現しており、イスラエルの治安当局側もこの計画に不満を抱いていると報じられている。
ガザ地区では120人が死亡
ガザ地区では7月14日も、イスラエル軍の激しい攻撃が行われ、特に北部のガザ市では、イスラエル軍の戦車が待ち伏せ攻撃を受けたとし、市内のTuffah地区やShujayea地区周辺で大規模な空爆が行われ、住宅が破壊されたという。
またガザ地区南部のハンユニス西部にあるアル・マワシ地区でも、イスラエル軍が避難民のテントを空爆。9人のパレスチナ人(そのほとんどが子供)が殺害された。
ガザ地区の保健当局は7月14日、過去24時間に少なくとも120人の遺体が病院に搬送され、過去1日で557人が負傷したと報告している。(医療関係者の報告では、14日の早朝から少なくとも72人が死亡したとしている)(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Hamas says ‘war of attrition’ in Gaza as more Israeli soldiers killed(7/14)