インドネシアで大規模なデモ、男性が警察車両に轢かれ、さらに拡大

インドネシアで政府に対する大規模な抗議デモが起き、その最中に1人の男性が警察車両に轢かれ、死亡した。
バイク配達サービスの男性が死亡
インドネシアの首都・ジャカルタでは8月28日、国会議事堂付近で、議員報酬や教育予算など様々な問題に抗議するデモが発生した。
この抗議デモは夜まで続き、当時、機動隊が催涙ガスや放水銃を使用して、人々を解散させようとしていたという。
しかしその際、警察車両が、バイク配達サービスで働いていた男性、アッファン・クルニアワンさんを轢き殺してしまった。
クルニアワンさんは抗議活動には参加しておらず、その後ジャカルタの警察署長が遺族に謝罪。また当時、警察車両に乗っていた警察官7人を倫理違反で20日間拘留し、現在尋問中であると明らかにした。
The killing of a delivery driver by police as they tried to disperse cost-of-living demonstrators on Thursday night has intensified protests across Indonesia.
Protesters say they see Affan Kurniawan’s death as symbolic of the problems they face themselves. pic.twitter.com/AuLkewPRTD
— Al Jazeera English (@AJEnglish) August 29, 2025
国会議事堂と警察本部前でも抗議デモ
しかしこの事件を受け、8月28日の夜から29日にかけて、バイクの運転手らが率いるグループが、機動隊本部前で抗議活動を実施。
また29日にはジャカルタの国会議事堂と警察本部前にも、運転手や学生、その他様々な立場の人々が集まり、門に石を投げつけ、「殺人者、殺人者」と連呼したという。
インドネシアのプラボウォ大統領は人々に冷静さを求め、ビデオメッセージで「警官たちの過剰な行動に衝撃を受け、失望している。徹底的かつ透明性のある捜査を命じた。そして、関与した警官たちは責任を負わなければならない」と述べた。
しかしこの抗議デモは収まらず、29日には多くの学校が早めの休校となり、銀行や企業は従業員に在宅勤務を要請したそうだ。
またジャワ島のスラバヤやバンドン、スラウェシ島のゴロンタロなど、他の都市でも、ドライバーたちが抗議活動を行ったという。
地元メディアが報じた映像には、一部地域で抗議デモを鎮圧するために、軍が展開している様子が映っていた。
ジャカルタの弁護士連合会は、インドネシア政府に対し、デモ中に逮捕された600人の釈放を強く求めている。(了)
出典元:The Guardian:Protests erupt in Indonesia over death of man hit by police vehicle(8/29)