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カナダで雹が地上に残した傷跡、NASAの衛星が撮影

カナダで雹が地上に残した傷跡、NASAの衛星が撮影
NASA Earth Observatory

カナダで先月、大量の雹が降り、地上に長い距離に渡って傷跡が残った。

 

ゴルフボール大の雹が降る

 

カナダのアルバータ州南部は「雹嵐の通り道」として知られ、毎年数十回も雹が降り、多大な被害をもたらしているという。

 

そして2025年8月20日にも、アルバータ州南部で嵐が発生。最大時速149kmの破壊的な突風をもたらし、ゴルフボール大に達した雹が降ったと言われている。

 

NASAの衛星「Terra」と「Aqua」に搭載された「MODIS(中分解能撮像分光放射計)」は、その前後の地上の様子を撮影。画像には雹の傷跡がはっきりと映っていた。

 

幅約15km、長さ約200kmにも広がる

 

下の画像は2025年8月19日に、カルガリー南東部を撮影したもの。まだ嵐の前で、農地や草原、森林が混在する様子が映っている。

 

NASA Earth Observatory

 

下は、嵐が去った後の8月24日の同じ地域の画像。白い部分が、雹によって地上に残された傷跡とされている。

 

NASA Earth Observatory

 

この雹の跡は幅約15km、長さ約200kmにも渡っており、嵐に襲われた当時、この地域では木々が根こそぎにされ、車が損傷し、送電線も切断されたという。

 

また作物も暴風によって倒れ、一部の農家からは甚大な被害が報告されたそうだ。

 

この地域での雹による被害は、特に夏の半ばから終わりにかけて、植物が成長し、緑化する時期に起きると言われている。

 

保険会社は今後、この嵐による損害賠償請求が相次ぐと予想しており、近年アルバータ州に雹がもたらした経済的損失が、さらに増加すると見込んでいるという。

 

一方、NASAラングレー研究センターの科学者たちは、保険会社と協力し、衛星データに基づく雹害のリスクモデルの改良に取り組み、激しい嵐の活動に関する貴重な知見を提供しようとしているそうだ。(了)

 

出典元:NASA Earth Observatory:Hail Scars Alberta Farmland

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