「ハマス」がトランプ氏の和平計画の受け入れを表明、詳細な協議の必要性を訴える

ガザ地区を実効支配する武装組織「ハマス」は10月3日、アメリカのトランプ大統領が提案した、ガザ地区における「和平計画」を受け入れると明らかにした。
「合意の詳細について協議する用意」
「ハマス」は、トランプ氏の「20項目の和平計画」を受け入れ、イスラエル人の人質全員を解放し、同地区の行政をパレスチナ自治政府に委ねることに同意した。
「ハマス」は声明で、「イスラエルによるガザ紛争を終結させ、イスラエル軍をガザ地区から完全撤退させるため、トランプ大統領の提案に示された交換計画に基づき、イスラエル人の人質全員(生死を問わず)を解放する用意がある」と述べた。
また、「この文脈において、ハマスは仲介者を通じて直ちに交渉に入り、この合意の詳細について協議する用意があることを表明する」とも述べたという。
さらに「ハマス」は「パレスチナの国民的合意とアラブ・イスラムの支持に基づき、ガザ地区の行政をパレスチナのテクノクラートからなる独立した機関に移譲することに同意する」と表明した。
トランプ氏の和平計画には、ガザ地区の将来に関する主要な問題について、議論の余地が残されており、「ハマス」側は、それらについても真摯な協議を求めている
「和平計画」には不明確な点が残る
トランプ氏の「20項目の和平計画」では、停戦発効後72時間以内にイスラエル人の人質全員を解放すること、イスラエル軍を境界沿いの緩衝地帯に段階的に撤退させること、「ハマス」が武装解除すること、そして人道支援を急増させること、などが含まれていた。
この項目で「ハマス」にとって懸案となっていたのが、武装解除を求めている点だ。特に政治プロセスや二国家解決に向けた実質的な進展がなければ、「ハマス」にとって全ての武器の放棄を受け入れることは非常に困難だと考えられていた。
このため「ハマス」側は、これらの点について、さらなる協議の必要性を訴えている。
また「ハマス」にとってもう1つの懸念は、イスラエル軍の撤退が曖昧な点だ。ただし「和平計画」の中で、イスラエルによるガザ地区の併合や占領がないと明確に表明されたことは、「ハマス」内部でも歓迎されたという。
専門家も、トランプ氏のガザ和平計画は「明確な政治的展望を欠いており、実行に移すには真摯な交渉が必要だ」と語っている。
トランプ大統領の反応とは?
「ハマス」の声明を受け、トランプ大統領は10月3日、自身のSNS「Truth Social」において、次のように投稿した。
「ハマスが先ほど発表した声明に基づき、私は、彼らに永続的な平和の準備ができていると信じている。イスラエルはガザへの爆撃を、直ちに停止しなければならない。そうすれば、我々は人質を安全かつ迅速に救出することができる!」
またトランプ氏は「我々は既に詳細について協議しており、今後詰めていく予定だ。これはガザだけの問題ではなく、中東で長年求められてきた平和の問題だ」とも投稿した。
一方、ガザ地区では10月3日もイスラエル軍の攻撃が続けられ、医療関係者の話によれば、夜明け以降、ガザ地区全域でイスラエル軍の攻撃により、少なくとも72人のパレスチナ人が死亡し、ガザ市だけで42人が死亡したという。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israel bombs Gaza homes; Hamas responds to Trump proposal(10/3)