トランプ政権の圧力に屈したか?「Apple」がICE対策用のアプリを削除

アメリカの移民・関税執行局(ICE)職員の目撃情報を共有できるアプリが、先日「App Store」から削除された。
「Appleが独裁政権に屈服」
そのアプリとは、「ICEBlock」と呼ばれ、移民・関税執行局(ICE)による取り締まりから逃れるため、職員の目撃情報を報告できる仕組みで、多くの人々が利用していたという。
しかし「Apple」は先日、「ICEBlock」と類似アプリに関連する「安全上のリスク」について、法執行機関から報告を受けた後、「App Store」から同アプリを削除したと発表した。
パム・ボンディ司法長官は声明で、「ICEBlock」が「ICE職員を危険にさらすように設計されている」として削除を「要求した」と明らかにした。
アプリの開発者は、「App Store」から削除されたことを受け、「Appleが、(トランプ)独裁政権に屈服した」と非難したという。
100万件以上ダウンロード
トランプ大統領による不法移民の取り締まり強化と、移民・関税執行局(ICE)による襲撃の増加を受け、今年、多くのアプリがリリースされたそうだ。
そして「ICEBlock」はアメリカ国内で100万件以上ダウンロードされ、ユーザーは引き続きこのアプリを使用できるが、今回の措置により、新規ダウンロードはできなくなるという。
また「ICEBlock」と同様のアプリ「ICE Immigration Alerts」も「App Store」と「Google Play」から削除され、「Coqui」も「Google Play」から削除されたという。
「Apple」は削除の理由として、「法執行機関からICEBlockに関連する安全上のリスクに関する情報を受け取った」と述べているが、「ICEBlock」を開発したジョシュア・アーロン氏は、このアプリが脅威になることを否定。「スピード違反の取り締まり用と何ら変わらない」と述べている。
またアーロン氏をはじめとする批判者たちは、トランプ政権が権力を乱用し、アメリカの街に「恐怖をもたらしている」と非難している。(了)
出典元:BBC:Apple pulls US immigration official tracking apps(10/4)