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チェルノブイリの放射能区域に住む狼が特殊能力を獲得しつつある:米動物学会報告

チェルノブイリの放射能区域に住む狼が特殊能力を獲得しつつある:米動物学会報告
photo AC

1986年に発生した原子力発電所の爆発事故により、放射性物質に汚染され、ゴーストタウンとなったチェルノブイリ(チョルノービリ)。そこに棲む野生動物のDNAが、予想外の方向に変化していると判明し、先月、アメリカ・シアトル市で開かれた動物学会(Society of Integrative and Comparative Biology)で報告された。

 

放射能汚染の中で暮らす動物たち

 

原子力発電所の爆発以来、立ち入り禁止区域となったチェルノブイリとその周辺では、11.28ミリレムの放射線量が測定されている。これは作業員の被曝許容量の6倍にもなるとのこと。そしてそこには、熊や野牛、ビーバー、鹿、アライグマといった多種の動物や、200種を超える鳥が棲みついている。

 

その動物たちを2014年から調査しているのが、アメリカ・プリンストン大学の進化生物学者であるCara Love氏と、彼女が率いる研究者チームだ。調査の目的は、がんの原因となる放射線が動物のDNAに与える影響を解明すること。

 

彼女は、GPS装置と線量計が付いた首輪を多数の狼に着け、位置と被曝線量がリアルタイムで分かるようにした。そして、1000平方マイル(約2590平方キロメートル)の立ち入り禁止区域とその周辺に棲む狼から採血し、DNAを調べた。

 

放射線に対抗できる体に

 

狼のDNAを解析した結果、変異が起こっていると分かったのだが、その変異の仕方が意外だった。ガンと関連性のある複数カ所が、放射線に対して防衛するように変わっていたという。

 

人間の場合、通常、DNAが変異するとガンの発生リスクが高まる。ところが、これらの狼の場合、逆にリスクを抑えるようになっていたようなのだ。

 

実際にどの程度リスクが低減されたかは分かっていない。それを知るには、今後長期にわたるモニタリングが必要なのだろう。Love氏はさらに研究を続け、今回の発見を、人のガン予防に役立てることを考えている。(了)

 

出典元:MailOnline:Mutant wolves exposed to Chernobyl disaster have evolved a new superpower, scientists discover(2/8)
出典元:news wise:Mutant Chernobyl wolves evolve anti-cancer abilities 35 years after nuclear disaster(1/5)
出典元:Wikipedia/チェルノブイリ

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