ハンガリーで7世紀の戦士の墓から鉄剣を発見、宝飾品も発掘

ハンガリーで考古学者らが、非常に珍しい古代の鉄の剣や宝飾品を発掘した。
刃には精巧な装飾の痕跡
その剣が発見されたのは、首都・ブダペストの南西約50km、Székesfehérvár市付近にある古代の墓とされている。
この発掘調査は、ハンガリー国立博物館と「King Saint Stephen博物館」が共同で実施しているプログラム「宇宙から見た墓地」の一環であり、衛星からの画像を解析して行われたという。
新たに発見された墓は、西暦670年から690年の間に遡るもので、そこからは希少な鉄のサーベル、宝飾品、他の遺物が見つかったそうだ。
この鉄の剣は騎馬戦士が使用したもので、ひどく錆びているが、刃には精巧な装飾の痕跡が残っており、当時の職人技の高さを物語っているという。
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銀製のベルトの留め具や装飾品も発見
また考古学者たちは、この墓から銀製のベルトの留め具、髪に編み込むための金メッキの装飾品、ガラスビーズ製のイヤリング、長いナイフ、そして矢筒に保管されていたと思われる矢尻も発見。ただし、矢筒自体と矢柄、矢羽根は腐敗していたそうだ。
この戦士の遺骨も墓から発見された。声明によると、腕と下半身は解剖学的に整然と並んでいたものの、頭部や胸部、腹部は略奪者によって「荒らされていた」という。
7世紀頃、この地域は中央ヨーロッパの「アヴァール・カガン(Avar Khaganate)国」の一部であり、この国は現在のハンガリーにあたるカルパティア盆地を中心としていたそうだ。
中央ヨーロッパのアヴァール人は現在、「パンノニア・アヴァール人」と呼ばれ、中央アジアの半遊牧民である「アヴァール人」とは区別されている。
しかしこの王国は、その後、ビザンツ帝国やフランク人、ブルガール人と戦い、9世紀には崩壊し、領土がマジャル(Magyar)人の手に渡る一因になったという。
そしてマジャル人は、現代のハンガリー人の祖先の大部分を占めていると考えられている。(了)
出典元:Livescience:Exceptionally rare iron saber, arrowheads and jewelry discovered in seventh-century warrior’s tomb in Hungary(10/29)


























