X_Malik Ejder

イスラエルの警察は11月3日、刑務所でパレスチナ人男性を虐待する映像をリークした、軍の法務官の女性を逮捕した。

男性に対し肛門レイプを行う

イスラエル軍の法務官であるイファト・トメル＝イェルシャルミ氏は先週、イスラエル兵が刑務所でパレスチナ人男性を虐待する動画の公開を承認したと認めた。

2024年7月、検察は拷問で悪名高い「スデ・テイマン軍事拘留センター」を家宅捜索し、11人の兵士を尋問のために拘留したという。

そこではガザ地区出身のパレスチナ人男性に対し、肛門レイプなどが行われており、その後トメル＝イェルシャルミ氏は、当時の拘留センターでの映像を公開した。

トメル＝イェルシャルミ氏は先週、辞任する際に、この事件を担当する軍の捜査官や検察官への攻撃を鎮めるために、動画の公開を承認したと明らかにした。その動画がこちら。（閲覧にはご注意いただきたい）

Hafızamızı diri tutalım:

İsrail askerlerinin Sde Teiman hapishanesinde Filistinli bir adama tecavüz ettiği görüntüler ortaya çıkmıştı.

Diğer askerler görüntü alınmasın diye kalkanlarını kullanmıştı.

Haber tüm dünyada tepkiye yol açmıştı.. pic.twitter.com/DsYdGdvfen

— Malik Ejder (@malikejder47) November 2, 2025

右翼の政治家が兵士を「英雄」と称える

起訴状によると、パレスチナ人の被害者は肋骨骨折、肺穿刺、直腸損傷などの重傷を負い、入院したという。

にもかかわらず、イスラエルの右翼の政治家や評論家たちは、この事件で拘禁された11人の兵士たちを「英雄」と称え、軍の捜査官を裏切り者と非難し、兵士たちに対する訴訟を取り下げるよう求めた。

しかも最初の兵士が拘束された後、極右の暴徒が「スデ・テイマン基地」の外に集結し、捜査の中止を求め、大臣1名とクネセト議員2名を含む抗議者らが、基地内に侵入したそうだ。

トメル＝イェルシャルミ氏は、この抗議活動後の2024年8月に、この動画をリーク。先週の辞任会見の中でも、「これは軍の法執行機関に対する、虚偽のプロパガンダを暴こうとする試みだった」と述べた。

抗議活動の数日後、兵士5人が加重暴行と重傷の罪で起訴されたが、彼らの氏名は公表されず、現在も拘留されておらず、いかなる法的制限も受けていない。

These masked men gang-raped a Palestinian prisoner in the torture camp known as Sde Teiman, and now they are being treated as heroes by the Israeli government and by a large part of Israeli society.

Nothing more to say. pic.twitter.com/u1qblV6wIM

— Mauricio Lapchik (@MauricioLapchik) November 3, 2025

ネットでの個人攻撃が激化

トメル＝イェルシャルミ氏が動画をリークした張本人だとのメディア報道を受け、彼女への攻撃が激化。ネット上での、個人的脅迫が相次いだという。

そして11月2日、トメル＝イェルシャルミ氏は行方不明となり、彼女のパートナーが警察に通報し、その後、テルアビブ地区の海岸で彼女の車が見つかり、車内にメモが残されているのが発見された。

その後、彼女は無事に発見されたが、ネットでは数分以内に彼女に対する個人攻撃が再開されたという。

極右コメンテーターのイノン・マガル氏は、「X」に「リンチを始めよう」とウインクの絵文字を添えて投稿したそうだ。

そして11月3日、トメル＝イェルシャルミ氏は詐欺や背任、職権乱用、司法妨害、公務員による公務情報漏洩の疑いで、イスラエル警察に逮捕された。

イスラエルの刑務所では広範囲にわたる拷問や虐待が記録されており、数十人のパレスチナ人が監禁中に死亡しているにもかかわらず、拘留中のパレスチナ人を暴行したとしてイスラエル兵が有罪判決を受けた例は1件のみとされている。（了）

出典元：The Guardian：Israel’s top military lawyer arrested after she admitted leaking video of soldiers’ abuse(11/3)