「スペースX」のロケットが爆発後、民間航空機が危険に曝されていた

今年1月、「スペースX」社のロケットが爆発したが、その際、複数の航空機が危険な状態に置かれていたことが明らかにされた。
3機の旅客機が危険な状態に
1月、「スペースX」社のロケット「スターシップ」の打ち上げ試験が行われたが、飛行中に爆発し、大量の破片が降り注ぐ事態となった。
連邦航空局(FAA)の文書を検証したウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙によると、この時、3機の旅客機がロケットの破片の漂う可能性のある空域を通過する必要があり、これまで考えられていた以上に危険にさらされたという。
また当時、航空管制官はルート変更への対応に追われ、「潜在的に極めて大きな安全リスク」を負っていたそうだ。下は今年1月、「スターシップ」が爆発した当時の映像。
SpaceX’s Starship spacecraft has exploded only minutes after taking off on a test flight, leaving trails of debris across the sky. It had been carrying its first test payload of mock satellites. pic.twitter.com/Hzc7M1fBNu
— Al Jazeera English (@AJEnglish) January 17, 2025
コース変更で燃料不足の可能性
3機のうちの1機、プエルトリコ行きの「ジェットブルー航空」のパイロットは、管制官から、潜在的な危険地帯のルートを通るため、予定通りの着陸は不可能だと告げられたが、ルート変更をすると海上で燃料が不足すると訴えたという。
そこで「ジェットブルー航空」の旅客機は、燃料緊急事態を宣言した後、プエルトリコのサンファンに着陸。また「イベリア航空」の旅客機と、プライベートジェット機も同様の措置を取り、3機合わせて約140人の乗客を乗せていたそうだ。
またウォール・ストリート・ジャーナル紙は、破片を避けるために、少なくとも2機の航空機(名前不詳)が互いに接近しすぎてしまい、管制官が空中衝突を防ぐ措置を講じる必要があったと報じている。
このロケットの破片は約50分間、降り注いだとされ、危険を避けるため、複数の民間航空機も迂回を余儀なくされたという。
「スペースX」社は爆発について、連邦航空局にすぐに報告しなかったため、マイアミの航空管制官は、パイロットが空中の破片を目撃した後に、初めて爆発の事実を知ったそうだ。
もし破片が飛行機に衝突していたら、壊滅的な結果を招きかねなかったが、当時「スペースX」社のCEOであるイーロン・マスク氏は「X」に、「成功は不確実だが、エンターテイメント性は保証されている!」などと冗談めいた投稿をしていた。(了)
出典元:METRO:Three flights at risk after SpaceX rocket exploded sending debris raining down(12/21)


























