ホームレス化した元子役、共演者らが支援に動くが治療につながらない理由

かつての人気子役が、カリフォルニア州でホームレスとなっている姿が拡散され、話題になっていた。そんな彼に手を伸ばした人々がいる一方で、治療や施設につながらない複雑な事情も見えてきた。
拡散された現在の姿
今回、カリフォルニア州リバーサイドでホームレスであることが目撃されたのは、2000年代に人気を博した学園コメディ『Ned’s Declassified School Survival Guide』にて、マーティンを演じていたタイラー・チェイス(36歳)だ。
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ボロボロの服を着たホームレス姿のタイラーは、「君はニコロデオン(Nickelodeon:アメリカのテレビ局)に出ていた人だよね」と声をかけられ、少しうれしそうな表情を見せる。自身が元子役であることを、当時のキャラクターそのままの早口で話している。そして撮影者から現金をもらうと、手にしていた時計をプレゼントしようとして感謝を表した。
母親が寄付金支援を停止
ほかにも複数の動画が投稿されており、心を痛めた人々から彼への支援がGoFundMeで立ち上がったが、現在は停止されている。
「The Tab」が取材したところによると、停止の要望を出したのは母親とのこと。今までもお金や電話、処方薬を渡したことがあるが、すぐに無くしてしまったそうだ。母親は、「タイラーは支援のお金を管理できる状態ではない」と説明している。さらに、「彼は優しくていい子なの」としたうえで、「今までも家を与えようとしたけど、彼はドラッグに走ってしまった。精神疾患もあるし、必要なのは24時間体制のケアなんです」と話している。
支援に立ち上がった元子役たち
そんな彼の支援に立ち上がったのは、同じドラマに出演していたダニエル・カーティス・リー(34歳)。現在でも、俳優やコメディアン、そしてラッパーとしてエンタメ業界で活動している人物だ。
そのときの様子を、自身のInstagramに投稿している。
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ダニエルはタイラーに会うと、散歩をしたりピザを食べたりしながら積もる話をし、その後タイラーが過ごせるようにモーテルを手配。クリスマスシーズンのため、なかなか空室が見つからなかったそうだ。「これからの話をしよう」とハグをしたところで動画が終わっている。病院での治療をすすめたが、断られたそうだ。
また、90年代の人気映画シリーズ『飛べないアヒル(Mighty Ducks)』に出演していた、元子役のショーン・ウェイス(47歳)も、支援を申し出ている。彼自身もドラッグに溺れ、ホームレスだった時期もあるそうだ。
彼は、自分が関わっているカリフォルニア州内のリカバリー施設に、タイラーを受け入れ可能だと説明。しかし、現在はカリフォルニアにいないため、誰か彼を探して伝えてほしいと訴えた。
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本人は施設での治療に消極的
「TMZ」によると、タイラーは病院や治療施設が関わる支援を受けることに消極的で、ショーンの支援を受け入れようとしていないという。
母親や元共演者、同じ経験を持つ先輩俳優、そして状況を知った市民など、多くの人々がタイラーに支援の手を差し伸べている。支援の手は伸びていても、本人が治療や施設を受け入れなければ、根本的な解決にはつながらない。ドラッグやメンタルヘルスなど複雑な事情を抱えている人々への支援の難しさが、浮き彫りになっている。(了)
出典:TMZ「Former Costar Hooks Up Homeless Pal W/ Motel Room」(12/23)
出典:The Tab「Ex-Nickelodeon actor Tylor Chase’s mum speaks out after videos of him homeless go viral」(12/22)
出典:Complex「‘Mighty Ducks’’ Shaun Weiss Wants to Help Tylor Chase After Alarming Video of Ex-Nickelodeon Star」(12/23)


























