4年間、親を手伝って子育てするカラスたち|AIが“家族の会話”を解析中

スペイン北部の森に、親と子どもが何年も一緒に暮らし、協力してヒナを育てるという珍しいカラスの家族が生息している。研究者が巣の近くにマイクを仕掛けて“盗み聞き”すると、そこには家族だけの小さな声のやり取りが記録されていた――。
スペイン北部の森に住む“家族カラス群”
レオン大学の研究者たちが注目したのは、スペイン北部の森の奥に生息するカラスの家族群だ。カラスは一般的に単独もしくはペアで過ごすが、このカラスたちは家族群で過ごしている。
巣で生まれた子供たちは、すぐに巣立ちをするのではなく、約4年間にわたって新しく生まれた兄弟たちを、親と一緒に育てるのだという。
家族が協力して、巣の周りで餌を運ぶ、ヒナを守るといった役割分担をしながら、子育てをしており、「これは本能ではなく、経験によって学習された協力行動だ」と研究者は考えている。
研究者たちが目指す“カラス語”の理解
研究チームは、彼らが作った巣の近くに小さなマイクを設置。数十万件もの音声を記録した。
記録には、私たちが町中で耳にする「カーカー」という大きな声ではなく、家族の中だけで交わす小さな声での会話がたくさん含まれていた。人間の言語とは同等でないにしても、複雑なコミュニケーションを音声でしている可能性がある。
こうした声で家族がコミュニケーションをとり、子育てのタイミングや協力行動の調整などを果たしている可能性がある、と研究者たちは考えている。
動物のコミュニケーション研究の新時代へ
研究者たちの次なる挑戦は、カラスたちがどんな意図を持って声を発しているのかを知ることだ。膨大な音声データをAIにかけ、「どんな状況でどの声が使われるか」というパターンの解析を進めている。最終的には、カラスの発声の意味を理解し、いつかは彼らの“言語”を解読することに挑戦したいと考えているという。
Natureの記事では、この試みはまだ始まったばかりだとしながらも、動物のコミュニケーション研究に新しい可能性を開くものだと注目されている。(了)
出典元:Nature「How AI is revealing the language of the birds」(2025/2/21)
出典元:Earth Species Project (ESP)「The Language of Crows: Earth Species Project + University of León」(2025/6/30)


























