英の刑務所が初めてドローンの侵入を阻止する装置の導入を決定
イギリスの刑務所で初めて、ドローンの侵入を阻止する装置の導入が決定し、注目されている。
●ドローンのシステムを妨害する装置
その装置の名前は「Sky Fence」。イギリス海峡にあるチャンネル諸島内、Guernsey島のLes Nicolles刑務所で導入されることになったという。
これは刑務所の上空及び周囲にジャミング用のセンサーを張り巡らし、リモートコントロールで飛行するドローンを検知し、自動的に元の場所へ返すというもの。
この装置の核となるのが「disruptors(妨害するもの)」。これがドローンのコンピューターを妨害するためのセンサーとされ、その周波数をブロックし、コンピューターのプロトコルをコントロールできるそうだ。
そしてオペレーターのスクリーンが侵入するドローンを検知すると、自動的に元来た場所へと送り返されるという。
Les Nicolles刑務所ではこの「disruptors」を、周辺や敷地内に20個ほど装備する予定だとか。
●シグナルが発信される場所へ戻る
このシステムや装置を開発したのはイギリスの企業、「Drone Defence」と「Eclipse Digital Solutions」。
「Drone Defence」のCEOであるRichard Gill氏は取材に対し、次のように語っている。
「これはドローンとそれを飛ばすものとの間のコントロール・ネットワークを混乱させるものです。検知されると、ドローンは元の場所へ戻るモードを起動させます。その結果、コントローラーなどからのシグナルが発信される場所へ戻っていくのです」
しかもGill氏によれば、この装置はハッキングするものではなく、非常に安全で、ドローンにダメージを与えることもないという。
さらに備え付けるコストも比較的安く、刑務所の大きさによるものの、10万ポンド(約1450万円)から25万ポンド(約3600万円)の幅で利用できるそうだ。
●「世界で初めての取り組み」
近年、イギリスの刑務所ではドローン対策がセキュリティ面で主要な課題となっており、ドローンによりドラッグや武器、携帯電話、その他の禁制品などが運ばれるケースが増えているという。
そのためLes Nicolles刑務所では当初、ドローンを検知するだけのシステムの導入を検討していたが、今回最新式のドローンを止める技術の導入に踏み込んだそうだ。
Les Nicolles刑務所のDavid Matthews所長は取材に対し「世界のあらゆる場所にある刑務所においても、今回の取り組みはこのテクノロジーが使われる初めてのケースになります」と語っている。
この設置は、刑務所全体のセキュリティをグレードアップさせる予算の一部として行われ、6月までには準備が整うとされている。(了)
出展元:The Telegraph:British prison is first to use ‘disruptor’ to create drone-proof ‘shield’ around jail(5/16)