「世界最古のコンピューター」の再現に成功、謎とされた仕組みを解明
「世界最古のコンピューター」とも呼ばれる古代の機械が再現され、その仕組みが明らかにされた。
1901年にギリシャで発見
その機械とは「アンティキティラ島の機械(Antikythera Mechanism)」だ。これは約2000年前のものと考えられ、1901年にギリシャにあるアンティキティラ島の沖合で、古代ローマ時代の難破した船から発見されたという。
これは古代ギリシャの手動で動く機械で、「食(日食・月食など)」やその他の天体現象を予測するものと考えられてきたが、発見された当初は、全体の3分の1しか部品が残っていなかったそうだ。
そして以前の研究では背面のメカニズムが明らかにされたのだが、前面の歯車の仕組みについては謎のままだったという。
前面部分を再現し、モデルを作る
しかし今回、University College Londonの研究者らが、3Dのコンピューターモデルを使い、前面部分を再現。
複雑な部品の細部も表し、歯車の仕組みを明らかにし、その研究論文を3月12日に発表した。
この機械は青銅製で、天文計算機であると同時に、「世界初のアナログコンピュー」とも考えられている。
また数多くの歯車が組み合わさっていたと考えられるが、発見された当時は82個の部品(全体の3分の1)しか見つからなかったという。
書かれていた説明とも一致
このため研究者らはX線のデータと古代ギリシャの数学的な方法を用いて全体を再構築してモデルを作ったとか。
またこの機械の裏側には宇宙の姿について説明(碑文)が書かれており、製造時に分かっていた5つの惑星の動きが示されていたという。
そして今回再現されたモデルは、これらの説明とも一致するものになったそうだ。研究者は今後、現代の素材を使い、この機械の完全なレプリカを再現することを望んでいる。(了)
出典元:BBC:Scientists unlock mysteries of world’s oldest ‘computer’(3/12)