南シナ海に中国が建てた不審なパラボラアンテナ、衛星写真で発見される
米中戦争勃発が懸念される南シナ海で、中国が電子戦の準備を着々と進めているようだ。海南島にある軍事基地に、電子戦の中核となるパラボラアンテナ群が新設された。最近撮影された衛星写真からわかった。このアンテナ群によって、中国軍は、周辺地域や宇宙での戦いを有利に進めることができる。
大小4基のパラボラアンテナ
アメリカ・ワシントンD.C.に本部を置くシンクタンク「戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies/CSIS)」は、今年11月21日に人工衛星から撮影した海南島・木棉(Mumian)基地の写真を分析した結果、これまでになかった新たな設備を確認した。
それは直径14mの大型パラボラアンテナ3基と直径4mの小型パラボラアンテナ1基、そして、少なくとも4基の無線アンテナタワーだ。どれも、衛星通信システムを利用した戦闘や電磁波を用いた電子戦を展開する上で、重要な役割を果たす。
下にあるのが公開された衛星写真。1枚目は木棉基地の全容、2枚目はパラボラと無線アンテナが新設された南端区域のクローズアップだ。無線アンテナのタワーは、影の長さから、相当高いことが分かる。
敵を混乱させる戦い
これらのアンテナ群で、具体的には何ができるのか? アメリカ軍にとって何が脅威なのか?
この件を報じた海外メディアが、その具体例を挙げている。分かりやすいので下に引用した。
これら(のアンテナ)は適切な場所に配置されており、地域一帯のあらゆる電子的活動を検知・監視し、時に妨害する。つまり、戦闘に重要な装置がうまく機能しなくなることがある。
ドローン兵器の遠隔操作無線やデータ回線はハッキングされるだろう。
コミュニケーションのための通信回線は、傍受されることも、不通になることもあるだろう。
こういったことは、戦闘機が目標を見つけられなくなることに繋がる。つまり、攻撃すべき敵の艦船も、燃料補給のための味方のタンカーも見つけられなくなるのだ。また、ドローン兵器は、操縦者の自軍を攻撃してしまうかもしれない。
(了)
出典元:Center for Strategic and International Studies:China Is Ramping Up Its Electronic Warfare and Communications Capabilities near the South China Sea(12/17)
出典元:New York Post:Satellite photos reveal worrying antennas in South China Sea(12/21)