ロシアのテレビで戦争への抗議をした女性、警察に拘束される
以前、ロシアの国営放送の生放送中に、ウクライナとの戦争に抗議した女性ジャーナリストが、警察により拘束された。
モスクワの自宅付近で拘束される
その女性ジャーナリストとは、マリーナ・オヴシャニコワさんだ。
彼女は3月14日、ロシア国営放送「チャンネル・ワン」のニュース番組「ヴレミヤ」のセットに乱入。
女性アナウンサーの背後に立ち、「戦争を止めろ。プロパガンダを信じるな。彼らはあなたたちに嘘をついています」とロシア語で書かれたポスターを掲げた。さらに彼女は「戦争を止めろ。戦争反対」と叫んだ。
охренеть, какая молодец pic.twitter.com/xvd4cvobbK
— Farida Rustamova (@faridaily_) March 14, 2022
そして7月17日、オヴシャニコワさんの弁護士は、彼女がモスクワにある自宅のそばで、ロシアの警察によって拘束されたことを明らかにした。
野党政治家を支援する発言がきっかけ
オヴシャニコワさんのインスタグラムには「首都モスクワのクラスノゼルスキー地区にある警察署に連れて行かれ、ロシア軍の行動を信用していないとして起訴された」と投稿されている。
きっかけとなったのは、モスクワのバスマニー裁判所近くで行ったインタビューとされ、その際オヴシャニコワさんは、虚偽の情報を広めた疑いで拘束された野党政治家イリヤ・ヤーシン氏を支援する発言を行ったという。
ヤーシンという人物は、ロシアに残る数少ない著名な野党政治家の1人で、ウクライナとの戦争に公然と反対し、ここ数週間で4回も罰金を科され、先月には逮捕もされている。
またオヴシャニコワさんは先週、クレムリンを背景に「プーチンは殺人者、彼の兵士はファシスト」と書かれたポスターとウクライナで殺害された子供の写真を広げたが、その時は拘束されなかったそうだ。
テレビでの抗議後、海外で過ごす
オヴシャニコワさんは「チャンネル・ワン」のプロデューサーだったが、生放送中に反戦を訴えた後、違法な抗議活動を呼びかけたとして拘束され、裁判所から3万ルーブル(約7万円)の罰金を科されたという。
またその後、彼女は「チャンネル・ワン」を辞め、ウクライナを含む海外で数カ月を過ごし、戦争への非難を繰り返し表明してきた。
さらにオヴシャニコワさんは3カ月間、ドイツ紙の『ディ・ヴェルト』でトレーニングを受けたが、7月上旬にはロシアへの帰国を発表したという。(了)
出典元:RFERL:Russian TV Journalist Who Protested War On-Air Arrested(7/17)