インドの元議員らが、TVの生中継中に銃撃され死亡、1人は至近距離から頭を撃たれる
インドで、テレビの生中継中に元議員らが銃撃され、死亡する事件が起きた。
至近距離から頭に発砲
その事件が起きたのは4月15日、場所はインド北部、ウッタル・プラデーシュ州の町、アラーハーバードとされている。
殺されたのは、元議員のAtiq Ahmed受刑者と弟(または兄)のAshraf Ahmed容疑者だ。
彼らは殺人と暴行の罪に問われ、その日はアラーハーバードの病院で検査を受け、手錠を掛けられて警察に囲まれながら移動し、メディアの記者からも質問を投げかけられていたという。
すると突然横からある人物が現れ、至近距離からAtiq受刑者の頭に発砲。さらに別の人物も加わり、弟のAshraf容疑者に対して合計30発以上も撃ち込んだそうだ。
その様子はテレビで生中継されており、3人の男らが発砲する、ショッキングな様子が放映されたという。その後、3人の男らは逮捕された。(当サイトでは映像は公開しないが、リンクはこちらになる。閲覧注意)
終身刑で服役していた元議員
実は、殺されたAhmed兄弟は、ウッタル・プラデーシュ州の裏社会で悪名高いギャングとされ、殺人や恐喝を繰り返す犯罪シンジケートを運営していたという。
Atiq受刑者は元政治家で、暴行や殺人など100以上の異なる事件を起こし、有罪判決を受けていたそうだ。また彼は服役中に誘拐を画策した罪で有罪判決を受け、2019年には終身刑に処されたという。
そして今回、Ahmed兄弟は別の殺人事件の重要な証人であった、弁護士のウメッシュ・パル氏の殺害に関連して警察に拘束されていたそうだ。
3人はジャーナリストを装っていた
2人を殺害した男らは、Lavlesh Tiwari容疑者(22)、Mohit Puraney容疑者(23)、Arun Kumar Maurya容疑者(18)とされている。
彼らは、Ahmed兄弟が警察に拘束されて以来、2日間尾行しており、ジャーナリストを装ってオートバイで現れ、カメラ機材やテレビ局のロゴ入りマイク、偽のジャーナリストIDも持っていたという。
また事件後の警察の取り調べでは、動機について「Ahmed兄弟というギャングを完全に消し去り、自分たちの名を上げるためだった」と語っているとか。
ただ発砲した時、犯人の男の1人は「Hail Lord Ram(ラム神万歳)」と唱えており、このスローガンは、ヒンズー教の民族主義者がイスラム教徒に対して使う言葉とされている。
警察は現在も捜査を行っているが、殺害の宗派的な動機について調べているかどうかは、明らかにしていない。(了)
※この事件については、BBCジャパンも詳しく伝えている。そちらもご覧いただきたい。
出典元:The Guardian:Former MP and his brother shot dead on live TV in India(4/16)