米で完全無人のタクシー会社に営業停止命令。人身事故の映像を隠したか
10月24日、米カリフォルニア州自動車局は、ゼネラル・モーターズの子会社「クルーズ」に対して、無人タクシーサービスの営業許可の取り消しを命じた。
人を轢いた後、止まるまでに被害者を約6メートル引きずった人身事故を受けてのことだ。さらにクルーズ社は、事故の映像を隠していたと報じられている。
人身事故の内容
サンフランシスコで走っている無人タクシーは、アプリで手配やドアの開錠をするというものだ。
First it was smartphones, now it's driverless cars. Anything is possible. 🤩 pic.twitter.com/OBDhvtqrUX
— cruise (@Cruise) July 6, 2023
完全に無人で運転されており、観光客からも人気となっている。
Hate changing lanes? No worries, we’ll handle that. pic.twitter.com/uCSkGcdhsJ
— cruise (@Cruise) June 22, 2023
事故が起こったのは10月2日のこと。他の車の運転手にはねられた歩行者を、クルーズ社の無人タクシーが轢いてしまった。その際、衝突の危険性を察知した車両は、急ブレーキを掛けたものの、完全停止したのは歩行者と衝突した後だった。
問題はその後だ。一度は完全停止した車両だが、安全を確保するためのプルオーバー操縦が自動でされ、時速7マイル(約11.26km)で約20フィート(約6メートル)移動。その結果、被害者は引きずられて、重傷を負うこととなった。
自動車局は「クルーズ社の車両は、歩行者を巻き込んだ事故を起こした後、安全かつ適切に対応する能力に欠けている可能性がある」としている。
引きずりの映像を隠したか
10月3日に自動車局が事情を聞いた際には、クルーズ社は被害者を轢いて完全停止するまでの映像のみを提示。自動車局は、別の政府機関から引きずりの事実を知り、クルーズ社にその部分の映像を要求するまで提示されることはなかったとしている。
一方で、クルーズ社は10月3日に全ての映像を見せたと主張している。
もう1社の無人タクシーは営業を継続
サンフランシスコにはもう一つ、Waymo社の無人タクシーも走っているが、こちらの営業は継続される。
BBCによると、クルーズ社は8月に消防車との衝突事故を起こし、運用する車を半分にするように求められていたという。
またクルーズ社の無人タクシーが、救急車両の進行を塞いでいるという声も上がっていたそうだ。
さらに、同じく8月には固まる前のコンクリートに突っ込んで停止しているところが目撃されている。
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今回は、無人タクシーではなく、クルーズ社に問題があると言えそうだ。(了)
参考:BBC:「Cruise driverless cars suspended after accident」(10/25)
参考:VICE「Cruise Self-Driving License Revoked After It Withheld Pedestrian Injury Footage, DMV Says」(10/25)