故・ポール・ニューマンの回顧録が発見され出版へ
ポール・ニューマンは、生前に、メディアが伝えることのない自分の内心を語った録音を残していた。それが発見され、回顧録として出版されることになった。
自宅の地下室から発見
名作『スティング』をはじめとした数々の映画出演や、精力的な慈善活動家で知られたポール・ニューマンさんが、癌により83才で亡くなったのは2008年9月。それから14年になろうという今、彼が住んでいたコネチカット州の家の地下室から、録音とその書き起こし原稿が見つかった。
ニューマンさんの家族は、それを元にした回顧録の出版を希望し、現在、アメリカの出版社「クノッフ(Knopf)」との話が進められているとのこと。出版は来年の秋になるだろうと報じられている。
ニューマンさんは、メディアが自分の人生について好きなことを言ったり、他人が勝手に自分の伝記を書くことにフラストレーションを覚え、自分のことを自分で語る録音を残したのだそう。
心の中を誠実に打ち明けた内容
録音は、ニューマンさんが亡くなる10年前のもの。彼の友人であり、映画『理由なき反抗』の脚本家としても知られた故スチュワート・スターンさんによるインタビューも含まれており、ニューマンさんが50年連れ添った妻のジョアン・ウッドワードさんや、子供、友人らの言葉も録音されているらしい。
録音全体の内容について、クノッフ社の担当編集者・Peter Gethers氏はこう話す。
「彼(ニューマンさん)の録音の内容は、とても誠実であからさまなものです。人生の最初から多くの欠陥を抱えていた一人の若い男が、年齢を重ねるとともに、私たちが望むポール・ニューマンという存在になっていく——その軌跡が見事に表れています」
「彼は、己の内にいる悪魔を避けて通ろうとはしません。また、彼の率直さは、人を驚かせたり、知性的だったり、面白味があったり、自虐的だったり、優しかったり、と、クルクル変わるのです」
「彼の母親は、彼のことを血を分けた肉親のようには思っておらず、飾り物のように考えていたそうです。子供の頃の彼に、見た目の可愛らしさがなければ、母親は彼に全く意識を向けなかっただろう、と、彼自身が言っています。酷いことです。この経験が、彼のその後の人生の大部分を決めたことは明らかでしょう。そして、彼が役者としての自信や確信を持てなかったことも、ここから来ていると思います」
出版される回顧録は、ポール・ニューマンの問題の多かった幼年時代の他に、若い頃の出来事や、薬物とアルコール中毒で死んだ息子への悲痛な思いも語られているそうだ。(了)
出典元:New York Post:Paul Newman’s ‘revealing’ memoir just discovered, will be published(11/5)
出典元:New York Times:Paul Newman Will Tell His Own Story, 14 Years After His Death(11/3)