亡き母親の思い出はどこまで旅をするのか?→2年かけて6200キロ彼方へ
突然肉親を失うのは、とても辛いものだ。そんな悲しみを海に流したきょうだいがいる。
母親が急死
2年4ヵ月前に母親を失ったきょうだいは、それから2ヵ月後に米ノースカロライナ州に引っ越して新しい生活を始めることとなった。
当然、新生活が始まっても悲しみが癒えることはなかった。
そこできょうだいは、観光地としても知られているノースカロライナ州のアトランティックビーチから、母親の写真を入れたビンを海に流すことにしたのだ。
「このビンを拾った人は、メールか電話で連絡をください」
ふたりの目的はビンがどこに届くのか、母親の思い出がどこまで旅をするのかを知ることだ。
失敗が功を奏した?
ビンを海に流した時には、母親の思い出ができるだけ遠くに伝わることを願っていたふたりだが、残念ながら1時間後に「岸辺に流れ着いていた」と連絡が来てしまったという。
しかし、それが幸運だった。
連絡をくれた女性は、たまたま次の日に船に乗る予定があり、船の上からビンをまた流してくれると約束してくれたのだ。
その約束が果たされたのかも分からないうちに、2年もの月日が流れた。
ビンが流れ着いた美しい場所
2年後、まだ「辛い時期を過ごしていた」というきょうだいのもとに、ある連絡が入った。それは「ビンを拾った」というものだ。
ビンが拾われた場所はモロッコのタルファヤという町。とてつもなく美しい、アフリカのビーチだ。
母親の写真は、月日の分だけ色あせてしまっていたが、きょうだいがいれたメモは判別できる状態だった。
写真が旅したのはおよそ3850マイル(約6196キロメートル)だ。
「見知らぬ人が、母親が存在していたことを知ってくれた」という事実は、きょうだいを喜ばせたという。
さらに広まる母親の写真
きょうだいの兄であるsessyshena氏は、7月12日にこの出来事を画像共有サイトのimgurに投稿した。
すると16万回以上閲覧され、「これは金庫が開くのと同じぐらいいいニュースだ」「いい話だ」「彼女は今でも人の心に触れ続けているのね」「くそみたいに心があったまった」など、150件近いコメントが寄せられた。
母親の思い出がさらに広く伝わったことについてsessyshena氏は、「小さいけど、特別なストーリーにこんなにも反応してくれてありがとう。みんな素晴らしいよ」とコメントしている。(了)
出典元:imgur「1 Bottle, 2 Years, 3,850 miles」(7/12)