アフリカ沖で海賊が3人の韓国人を拉致、海軍が駆逐艦「文武大王」を派遣
アフリカのガーナ沖で韓国人船員が海賊に拉致され、韓国政府が駆逐艦を派遣したことを聯合ニュースなどが伝えている。
3人の韓国人だけを拉致し逃走中
その記事によれば、事件が起きたのは3月26日で、ガーナ人約40人と韓国人3人の乗ったガーナ船籍の漁船「マリーン711号」に、9人の海賊が乗り込んだという。
海賊は韓国人だけを拉致し、別の高速船で逃走。現在も行方が掴めていないそうだ。
その後、「マリーン711号」はガーナに入港。ガーナ人の船員は無事に船を降りたと言われている。
韓国軍はこの海賊をナイジェリア人と特定。現在アデン湾で海賊対処活動を行っている駆逐艦「文武大王(ムンデワン)」の派遣を決めたという。
これまでのところ海賊からは、韓国人船員の解放と引き換えの身代金要求などはない。ただ3人の韓国人は、ナイジェリア南部に人質として拘束されているという見方もあるとか。
韓国の統一を果たした王の名前に由来
駆逐艦「文武大王」とは、韓国海軍の李舜臣級駆逐艦の2番艦。2004年に就役し、満載排水量は5500t、全長約154mとされ、艦の名前は「文武王」に由来するという。
「文武王」とは西暦660年頃に第30代の新羅の王位についた人物で、在位中に高句麗を滅ぼしたとされている。
また朝鮮半島にいた唐の勢力も駆逐し、朝鮮半島の統一を果たしたそうだ。
昨年の5月にも海賊に追跡される
韓国の漁船に関しては、昨年の5月にも海賊らしき船に追跡されるという事件が起きている。
その船には韓国人の船長と乗組員2人、それとインドネシア人18人が乗っていたが、27日に不審な船に追跡されているという通報があってから、連絡が途絶え、海賊に乗っ取られたと見られていた。
そのため近海を巡回していた韓国海軍の艦船が救助に向かっていたが、その後漁船が海賊の船を引き離すことに成功。再び通常の航行を続けているのが、確認されている。
隣国の韓国人が拉致されるという事態は他人事ではない。日本人も海賊の被害に遭わないよう祈りたい。(了)
出典元:聯合ニュース:ガーナ沖で韓国人3人拉致 「情報収集中」=韓国外交部(4/2)
出典元:AFP:韓国、海賊による船員拉致で軍艦「文武大王」を派遣 ガーナ沖(4/1)
出典元:AFP:ソマリア沖で消息絶った漁船、海賊から逃げ切る 韓国外務省(2017/5/28)