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ドイツで車が群集に突っ込み複数人が死傷、再びテロへの不安が広がる

ドイツで車が群集に突っ込み複数人が死傷、再びテロへの不安が広がる
Twitter/PeterSweden

ドイツ北西部に位置する都市ミュンスターで7日15時過ぎ、群集に車が突入する事件が発生し、警察が事件の全容解明に向け捜査を行っている。

 

2人が死亡、犯人の男は車内で自殺

 

事件が発生したのはドイツ北西部、ノルトライン=ヴェストファーレン州に位置する都市ミュンスター。

 

群集に突っ込んだのは小型のバンで、近隣のカフェのテラスでくつろいでいた2人が死亡し、20人が負傷した。負傷した人のうち、複数の人が重篤な状態にあるという。

 

 

バンを運転していた男は、その後車内で銃を用いて自殺した。

 

「これまでのところ、この事件の背景を把握する手がかりは何ら得られていない」

 

検察官Martin Botzenhardt氏は警察との共同声明においてこのように伝える一方、共犯者を示す情報もなく、犯行は単独で行われた可能性が高いとする。

 

https://twitter.com/ralfSachsen/status/983018834629193728

 

犯人の男の自宅からはAK-47 も

 

現地メディアは、犯人の男は工業デザイナーとして勤務する、ミュンスター在住の48歳のドイツ人であると伝えている。

 

男は精神的な問題を抱えており、一週間ほど前に友人らに向けて自殺をほのめかすメールを送信していたという。

 

過去には暴力沙汰や薬物乱用を行ったこともあり、警察から男は知られた存在であったそうだ。

 

男が犯行の際に使用したバンの車内には、自殺の際に用いられた銃の他、おもちゃのピストルや爆発物を模した爆竹もあったという。

 

さらに犯行現場からほど近い場所に位置する男の自宅からは、使用不可能なAK-47 も発見されているとのことだ。

 

 

ベルリンでのテロを想起させるとして不安も

 

事件の発生から一夜明けた8日には、現職の内務大臣Horst Lorenz Seehofer氏を含む複数の政府関係者も犯行現場を訪問。

 

Seehofer氏は「この卑劣で残虐な犯罪は、我々全てに非常に強いショックを与えた」とすると共に、負傷者の一刻も早い回復を祈ると伝えている。

 

同時に氏は今回の事件において、テロの可能性を示すものは何ら発見されていないことも強調している。

 

一方ドイツでは首都ベルリンで2016年12月19日、クリスマス・マーケットで賑わう広場に、イスラム過激派に感化された男がトラックで突っ込む事件が発生。

 

警察らがテロの可能性は低いとているにも関わらず、今回の事件はこれを想起させるものであるとして、不安を呼んでいる。

 

ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(Alternative for Germany / AfD)」所属の政治家Beatrix von Storch氏は、これについてツイッター上でイスラム教徒の移民は犯罪者であると投稿。

 

 

事件がイスラム教徒ではなくドイツ人によって起こされたものであることが判明すると、“イスラム教徒のテロリストの模倣者”と言動をすり替えているが、彼女の投稿はドイツ国民のテロに対する不安を反映しているかのようでもある。

 

ミュンスターは30万人ほどの人口を誇る中核都市で、大学が位置するため多くの学生が暮らすと共に、観光客からも人気を誇る場所だ。

 

 

そんな街に暮らす多くの人々の不安が払拭されるよう、事件の早急な解明に努めてほしい。(了)

 

出典:Deutsche Welle:Germany still clueless about motive for fatal van attack in Münster(4/9)

出典:BBC News:German van attack: ‘Suspect had mental health problems’(4/9)

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