スペインの洪水被害で死者が150人以上、行方不明者の捜索が続く
スペインは今週、豪雨により広範囲で大規模な洪水被害に見舞われた。
バレンシア州で155人が死亡
スペインの南部や東部などでは10月29日に激しい豪雨に見舞われ、町に濁流が押し寄せ、車も流され、人々が家に閉じ込められたという。
特にスペインのバレンシア州では被害が拡大し、10月31日にまでに、少なくとも155人の死亡が確認された。
隣接するカスティーリャ・ラ・マンチャ州でもさらに2人、アンダルシア州ではイギリス人男性、1人の死亡が確認されており、合計の死者が158人に上った。
行方不明者は「多数」
バレンシア州の町、Paiportaでは川が氾濫し、40人以上が死亡。また高潮も発生し、高速道路や街路も川と化し、多くの車が流され、生き残った人々は木や橋に登って逃げ延びたという。
10月31日には1200人以上の救助隊員が現地に投入され、ドローンの支援を受けて、救助活動を開始したという。
また被害が大きかった地域では、市民が泥や瓦礫の中から、遺体を回収する作業を任されたそうだ。
スペイン当局は、正確な行方不明者の数を発表していないが、まだ「多数」いると述べており、犠牲者がさらに増えると考えられている。その一方で、住民からは避難警報が遅かったと、非難の声も寄せられている。
スペインの気象機関「Aemet」によると、バレンシア近郊の町、Chivaでは当時、8時間で1年分に相当する量の雨が降ったという。
しかも10月31日にはスペインの南部と東部に、さらなる大雨警報が発令されており、フェリペ6世国王も「非常事態は、まだ終わっていない」と警告。サンチェス首相も、国民に対し「必要に応じて避難するよう」促した。(了)
出典元:BBC:Spain mourns as death toll passes 150 in catastrophic floods(10/31)