フランス検察のサイバー犯罪部隊が、「X」のパリ事務所を家宅捜索

フランスの検察庁は、イーロン・マスク氏が所有する「X」社のパリ事務所に対し、家宅捜索を行ったと明らかにした。
「X」が停止される可能性
パリ検察庁は2月3日、「X」への投稿で「パリ検察庁のサイバー犯罪対策課、国家警察のサイバーユニット、そして欧州刑事警察機構(ユーロポール)による捜査が進行中だ」と述べ、今後「X」が停止される可能性があると示唆した。
またパリ検察庁は声明で、「Xの事実上および法律上の管理者であったイーロン・マスク氏とリンダ・ヤッカリーノ氏に対し、2026年4月20日にパリで任意の事情聴取を行うため、召喚状が送付された」と述べた。
リンダ・ヤッカリーノ氏は昨年の7月、「X」のCEOを辞任している。
アルゴリズムの悪用、「Grok」の不正機能
今回の捜査は、昨年1月に開始された「X」におけるアルゴリズムの悪用や、不正なデータ抽出の疑いに関する捜査の一環とされ、「X」の人工知能ツール「Grok」に関する苦情も捜査対象に加えられたという。
現在捜査中の容疑には、児童虐待画像の保有および組織的配布への共謀、性的ディープフェイクによる肖像権侵害、人道に対する罪(ホロコースト)の否認などが含まれているそうだ。
フランスの捜査当局は昨年、中道右派の政治家、エリック・ボソレル議員が、「X」上の偏ったアルゴリズムがデータ処理システムを歪め、推奨コンテンツの種類に影響を与えた可能性があるとして告訴したことを受け、捜査を開始した。
ボソレル議員は、「X」上での「発言の多様性の低下」と、2022年の買収以来、マスク氏による「X」の経営への「個人的な介入」を非難したという。また別の告発では、「X」での変更で、「不快な政治コンテンツ」の急増につながったと指摘された。
そして昨年11月、フランスの検察庁は、「Grok」がナチス・ドイツによる600万人のユダヤ人虐殺を否定する虚偽の主張を広めていたとして、捜査の拡大を発表。
さらに「Grok」は現在も、AIによる画像生成・編集を通じて、女性や子供を含む衣服を着た人物を「ビキニ化」「裸にする」ことをユーザーに許可したことで、激しい非難を浴びている。
すでにEUは今年1月、女性や未成年者を性的に描写したディープフェイクの制作と配信に関して、「X」への捜査を開始している。
「デジタル無法地帯」
「Grok」の機能に対する監視はここ数カ月で急速に強化されており、イギリス政府は「X」が「ビキニ化」ツールをブロックできない場合、イギリス全土で「X」を禁止する可能性があると警告した。
ギリシャの政府高官も2月3日、ロイター通信に対し、同国は15歳未満の児童に対するSNS禁止措置の発表に「非常に近づいている」と語ったという。
またスペインでも、政府が16歳未満の児童に対するSNS禁止を含む一連の措置を準備しており、ペドロ・サンチェス首相は「デジタル無法地帯」から児童を守り、ヘイトや有害コンテンツに対してテクノロジー企業の責任を問うと約束した。
「X」社は今回のパリでの家宅捜索について、まだコメントをしていない。しかし同社は昨年夏、「フランス検察の要求は、政治的動機によるものであり、応じるつもりはない」と述べ、すべての容疑を否定した。(了)
出典元:The Guardian:French headquarters of Elon Musk’s X raided by Paris cybercrime unit(2/3)
出典元:CBS:X office in France searched as Paris prosecutor summons Elon Musk for questioning(2/3)

























