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ヘルソンでロシアが不可解な動き、軍本部を川の東岸へ移転、住民に強く避難を呼びかけ

ヘルソンでロシアが不可解な動き、軍本部を川の東岸へ移転、住民に強く避難を呼びかけ
Twitter/Rob Lee

ロシア軍が占領しているヘルソン州の州都で夜間外出禁止令が発令され、再び住民に避難が呼びかけられた。

 

「テロ攻撃から市を守るため」

 

ヘルソン州でロシア側に任命されたKirill Stremousov副知事(統治官)は11月4日、ヘルソン市に24時間の夜間外出禁止令を発令したと明らかにした。

 

Stremousov氏は、テレグラムに投稿した動画において「夜間外出禁止令は、テロ攻撃からヘルソン市を守るために必要だ」と説明したという。

 

また同氏は、前線でウクライナ軍の車列が目撃され、攻撃が行われる可能性があるとして、市内に残っている住民に避難を呼びかけたそうだ。

 

プーチン大統領も住民に避難を強く要請

 

ロシアのプーチン大統領も親ロシア派の活動家との会談で、ヘルソン州に住んでいる住民は、紛争地帯から避難しなければならないと警告した。

 

プーチン大統領は「今、もちろん、ヘルソンに住む人々は、最も危険な行動の範囲から除外されるべきである。市民は苦しむべきではないからだ」と述べたという。

 

しかし住民への避難の呼びかけはすでに数週間前から続けられており、ウクライナ側は「避難」は「強制移住」だと人々に警告、この行為は「戦争犯罪」だと非難してきた。

 

ロシア側が罠を仕掛けている可能性

 

実はこれに先立ち、11月2日にヘルソンの当局者は、ロシア軍がドニエプル川の西岸から部隊を撤退させる可能性が高い、との見方を示していた。

 

Stremousov副知事は、メディアのインタビューにおいて「ほとんどの場合、我々の部隊(ロシア軍)、我々の兵士はドニエプル川の東岸へ去るだろう」と述べていた。

 

またウクライナ情報部によれば、すでにロシア軍の協力者たちもクリミア半島に近いアゾフ海に面した場所「Arabat Spit」に移転し、11月3日にはヘルソン地方行政庁舎から、ロシア国旗が撤去されたという。

 

 

さらにウクライナ国防省傘下の国家抵抗センターは11月3日に、ロシア軍がドニエプル川を渡り、へルソン市の東岸に軍本部を移動させたと報告している。

 

この怪しい動きについて、ウクライナ側はロシア軍が撤退を装って、罠を仕掛けている可能性を警戒していると主張していた。

 

ウクライナ南部軍司令部のナタリア・フメニウク報道官は、「これは市街戦の準備をしている間に、入植地(ヘルソン市)が放棄され、そこに入るのは安全だという印象を与えるための、特別な挑発行為の現れかもしれない」とテレビでコメントした。

 

住民に何度も移動を要請し、軍も川の西岸から避難させて、ロシア側は何をするつもりなのか?ヘルソン市にウクライナ軍が入った時に、小型核(戦術核)を使うつもりなのだろうか?

 

逃げる兵士を殺す部隊を配備か?

 

一方、アメリカのロイド・オースティン国防長官は、ウクライナ軍がヘルソン市を奪還できるとの見方を示した。

 

オースティン国防長官は、ウクライナ軍の活動を「整然とした」「効果的なもの」だとし、彼らがヘルソン市を奪還できる能力を持っていると確信している、と述べた。

 

またイギリスの国防省によれば、士気の低下と戦闘への消極性から、ロシア軍はおそらく、退却しようとする自軍の兵士を撃つと脅す部隊を配備し始めたという。

 

11月4日に発表された国防省の報告では、この自軍を脅す部隊を「督戦隊(barrier troops)」「阻止部隊(blocking units)」だと表現している。

 

以前も当サイトでは、最前線から逃げる兵士を射殺するよう命じられたロシア軍兵士の記事を投稿していたが、やはりこのようなことが実際に起きているのだろう。(了)

 

「新兵は最前線に…逃げたら殺すよう命じられている」ロシア軍の過酷な現実

出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: 24-hour curfew imposed in Kherson as Putin calls for people to leave city – as it happened(11/4)

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