飼い犬の喧嘩を止めに入った女性、相手がマウンテンライオンだったことに気付く!
米国で女性が飼い犬の喧嘩を止めようとして間に入ったところ、喧嘩相手が犬ではなくライオンだったことが判明するという、なんとも危うい珍事が起きていた。
喧嘩相手が犬ではなくマウンテンライオン
この出来事が発生したのは、米国アイダホ州の町、マッケイ。飼い犬の喧嘩の仲裁に入った女性の名は明かされていない。
アイダホ州で野生動物の保護などに当たる行政機関「Idaho Department of Fish and Game(IDFG)」の発表したところによると、事の顛末はこうだ。
この日、飼い犬である子犬が自宅の外でもつれ合うようにして喧嘩を始めたのに気付いた女性は、“犬同士の喧嘩”であると思い、止めに入ることを決意。
しかし2匹を引き離して喧嘩を仲裁することに成功し、喧嘩相手の身体を掴んでいた女性がふとその動物に目をやると、なんと相手は犬ではなくマウンテンライオン(ピューマ)だったというのだ。
これに驚いた女性は、自宅の中にいた夫に助けを求める。
すると夫は即座に銃を持って現れ、マウンテンライオンを射殺してしまう。
マウンテンライオンの体重は15キロほどで、まだ子供であったという。
Idaho woman accidentally grabs mountain lion during attempt to break up 'dog fight' https://t.co/d9MPYWFf7o pic.twitter.com/CSwtBbguON
— Barnaby Taylor (@BarnabyFTaylor) February 7, 2019
その後、30分ほどして地元警察と野生動物保護課の職員らが到着。マウンテンライオンの亡骸は片づけられたとのことだ。
また亡骸は研究所へと送られ、検死が行われるという。
相次ぐマウンテンライオンによる襲撃
一方、飼い犬がマウンテンライオンに襲われる事例は、今回が初めてのことではない。
アイダホ州においては、今月に入り飼い犬がマウンテンライオンに襲われる事例が、今回のものを含めて3件発生。
同州ケッチャムにおいて発生した事例においては、犬の方がマウンテンライオンによって殺されている。
また同州ベルビューにおける事例でも、襲われた際の傷が元で犬の方が後に亡くなっているという。
さらに先月1月には、アイダホ州の温泉リゾート地として知られるLava Hot Springsにおいて、若いメスのマウンテンライオンが市街地に紛れ込むという事例も発生。
この際にはライオンは地元警察の手により殺害されているが、犠牲となったライオンは栄養不良を起こしており、さらに片目は失明していたとみられている。
On Jan 4, @idfg euthanized a #mountainlion that was in the town of Lava Hot Springs. They reported that "the female mountain lion was malnourished, weighing at most 60-70 pounds, & was injured." Could this situation could have been handled differently? https://t.co/LaD6rMgfLk pic.twitter.com/GQOzVipji1
— Mountain Lion Fdn (@MtnLionFdn) January 7, 2019
IDFGは今回飼い犬を襲うという行為に走ったマウンテンライオンが、病気ゆえにこのような行動に出たのかどうか検死により確認するとしている。
マウンテンライオンにもしも遭遇した場合には…?
IDFGによると、飼い犬への襲撃が相次ぐ一方、アイダホ州において人がマウンテンライオンから襲われて死亡した事例は未だ報告されていないという。
しかし米国の政府機関の一つで国立公園を所管する「アメリカ合衆国国立公園局(National Park Service、NPS)」は、サイト上でマウンテンライオンへの注意喚起を行っている。
もしマウンテンライオンに遭遇した際には、落ち着きを保ったまま直立姿勢になると同時に、対峙するのを避けるのが良いとのこと。
さらに近づこうとしたり、逆に走って逃げようとしたりする行為も“マウンテンライオンの狩猟本能を刺激する”可能性がある他、しゃがむという行為も獲物となる四つ足動物を想起させてしまうとして、危険視されているとのことだ。
一方、マウンテンライオンが攻撃的な態度を見せた際には、しゃがんだり背を向けることなくできる範囲で石や枝などを投げ、威嚇するということが推奨されるとのこと。
しかしそれでもマウンテンライオンが襲撃してきた際には、“応戦”しなければならないとのことだ。
ちなみに今回の事件においては、飼い主の女性も飼い犬もマウンテンライオンとの喧嘩の際にかすり傷を負っているとのことだが、深刻な容体ではないようだ。
犬がマウンテンライオンに襲われるという事例が複数発生しているアイダホ州。襲撃が恐ろしいことはもちろんだが、一方でマウンテンライオンが保護されるべき絶滅危惧種であることも事実だ。
マウンテンライオンをこのような行為に走らせる原因の究明と共に、このような事例が発生せぬことを願うばかりだ。(了)
出典:Fox News:Idaho woman accidentally grabs mountain lion during attempt to break up ‘dog fight’(2/6)
出典:abc News:Idaho woman breaking up dog fight realizes one combatant is a juvenile mountain Lion(2/7)