「空中消火機を使え!」トランプ氏のアドバイスに仏消防局が「笑える」とコメント
フランスのパリでノートルダム大聖堂が火災に見舞われ、世界中から注目を集めているが、あの有名人もこの様子を見ていた。
その人物とは、アメリカのトランプ大統領だ。
トランプ大統領が消火のアドバイス
今回の火災では、世界中から多くの同情の声が寄せられたが、トランプ大統領もツイッターに投稿している。
そのツイートで彼は、パリの消防隊がどのように火災に対処すべきかを、アドバイスした。それがこちら。
「パリにあるノートルダム大聖堂での巨大な火災を見るのは、とても恐ろしい。もしかしたら、空中消火機が火を消すのに使えるかもしれない。素早く、行動しなければ」
So horrible to watch the massive fire at Notre Dame Cathedral in Paris. Perhaps flying water tankers could be used to put it out. Must act quickly!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) April 15, 2019
消防トップが「笑える」と発言
アメリカでは森林火災などで空中消火機が使われ、また「Boeing 747-400 Super Tanker」という巨大消火機もチリでの山火事の際に派遣している。
A 747 Supertanker aircraft fighting the Holy Fire in Trabuco Canyon, California. Such an incredible aircraft and tool to help the firefighting effort. pic.twitter.com/MyDcmSxGbx
— Matt Makens (@MattMakens) August 8, 2018
しかしトランプ大統領が投稿してから後、フランスの市民防衛・安全局のトップ、Michael Bernier中佐はそのアドバイスを「笑える」とし、意見を退けた。
Bernier中佐によれば、空中消火機を使えば、古い聖堂がつぶされかねず、全てが崩壊する可能性があるという。
実際、カナダの「ボンバルディア CL-415」という消火機を使ったとしても、水が投下されれば、コンクリートの重さで3tのものが時速250kmで建物に降りかかるのと等しい状況になっていたとか。
そのため、もし空中消火機を使っていれば、塔が2本とも折れていた可能性があり、現場にいた消防隊員やその他の人々を危険にさらすことになると述べている。
A Vigili del Fuoco CL-415 fighting a wildfire near Turin. https://t.co/cRFmFQBWPm © Filippo Novello pic.twitter.com/uUBpVsBqCw
— JetPhotos (@JetPhotos) April 10, 2019
この見方については、イギリスの専門家も支持しており、やはり空中消火機の使用は不可能だったようだ。
またトランプ氏の投稿には「僕は自国の大統領のことで、フランスの国民に謝罪するよ」など批判のコメントも寄せられている。(了)
出典元:The Guardian:Experts deride Trump’s Notre Dame firefighting advice as ‘risible’(4/16)
出典元:INDEPENDENT:French officials respond to Trump’s advice on how to put out the Notre Dame fire(4/16)