ノルウェーで起きたモスク襲撃事件、65歳の男性が犯人にタックルし多くの命を救う
先日、ノルウェーにあるイスラム教のモスクが襲撃された事件で、ある男性たちが犯人に飛びかかり、取り押さえていたことが明らかとなった。
警察が来るまで犯人を取り押さえる
その事件が起きたのは8月10日(土)の午後(現地時間)、場所は首都オスロ郊外の街、バールムにあるal-Noorイスラミック・センターとされている。
当時、センターの建物の中には「犠牲祭(Eid al-Adha)」を祝う準備に為に、15人のイスラム教徒の人々が集まっていたという。
そこへ防弾チョッキやヘルメットを身に着け、2つのショットガンのようなものと拳銃を持った男が、窓ガラスを割って侵入。人々が礼拝する場所まで来て、数発を撃ったそうだ。
礼拝所には3人しかいなかったが、その中の1人、Mohamed Rafiqさん(65)が犯人にタックル。相手を倒し、その間にMohamed Iqbalさんが頭を殴りつけ、他の仲間も加わり、警察が来るまで犯人を押さえ続けていたという。
ただこれにより、Rafiqさんは軽傷を負ったと言われている。
Worshipper, 65, takes down mosque gunman before he can kill anyone https://t.co/p9rRXTx8YA
— The Independent (@Independent) August 12, 2019
過去の銃乱射事件に影響を受けた極右活動家
逮捕されたのは、地元に住む白人の男、Philip Manshaus容疑者(21)だ。
この男はネットの掲示板で、自分がニュージーランド・クライストチャーチで起きた事件の犯人や、テキサス州・エルパソで銃乱射事件を起こした男に影響を受けた極右活動家だと示唆していたという。
また男は、ドイツ占領当時にナチスに協力的だったノルウェーのファシスト政権のリーダー「ヴィドクン・クヴィスリング」を褒めたたえ、移民を敵視していると述べているそうだ。
警察は、この事件をテロとして捜査を開始。その後、同容疑者の血のつながっていない17歳の妹が殺害されているのも発見されたため、殺人事件として調べを進めているという。
警察も勇気を称える
今回のモスク襲撃事件では、犯人が発砲したが、犠牲者は出ていない。しかしRafiqさんやIqbalさんが立ち向かわなければ、もっと犠牲者が出ていたと考えられている。
警察の副署長も2人の勇気を称え、「彼らの努力が、違った(悲惨な)結果になることを防いだことは間違いありません」と述べている。(了)
出典元:BBC:Norway mosque shooting probed as terror act(8/11)
出典元:INDEPENDENT:Worshipper, 65, takes down heavily armed mosque gunman before he can kill anyone(8/11)