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カナダでも、白人至上主義者とされた初代首相の像が倒される

カナダでも、白人至上主義者とされた初代首相の像が倒される
Twitter/Nore

カナダの都市・モントリオールで、初代首相の銅像が活動家らによって引き倒された。

 

19世紀後半に初代首相となった人物

 

その初代首相とはJohn A Macdonald卿だ。この人物は19世紀後半、先住民に対して過酷な政策を打ち出し、多くの犠牲者を出した人物として知られている。

 

その銅像はケベック州の都市、モントリオールに立てられていたのだが、8月29日の午後(現地時間)、活動家らによって引き倒されたという。

 

その時の様子は撮影され、銅像が地面に倒された際には、頭部が取れて転がる様子が映っていた。

 

15万人の子供たちを家から引き離す

 

Macdonald卿は1860年から1890年までの約19年間、カナダの初代及び第3代の首相として務め、国の基本となる政策を推し進め、さらに寄宿学校システムを構築したと言われている。

 

その教育システムでは1世紀以上にもわたって、15万人の先住民の子供たちが強制的に自宅から引き離され、国営の寄宿学校へ送られたという。

 

そこでは多くの子供が虐められ、一部は死亡している。また子供たちは自分たちの言葉を話すことも、自らの文化を実践することも禁じられたとか。

 

このため2015年にカナダ政府は、当時の政策を「文化的大量虐殺」と定義したそうだ。

 

白人至上主義者だったと紹介

 

またMacdonald卿は、飢饉や病気で多くの先住民が死んでいくのを許容したと非難されており、さらにカナダの先住民に対して先祖伝来の土地から去るよう強要し、それを行うまで彼らに食料を供給しなかったという。

 

このため警察の予算削減を求める平和的なデモのリーフレットにも、「Macdonald卿は残酷な寄宿学校制度を創設し、先住民の大量虐殺を組織した白人至上主義者だ」と書かれていたそうだ。

 

しかしケベック州のFrançois Legault知事(州首相)は次のように語り、銅像を引き倒したことを非難している。

 

「John A. MacDonald卿について人が何を思おうとも、このような方法で像を破壊することは受け入れがたい。私たちは人種差別主義と戦わなければならない。しかし私たちの歴史の一部を破壊することは、解決策ではない。民主主義のもとでは、公共物の破壊の居場所はない。銅像は修復されなければならない」

 

ただこの人物の銅像に関しては、以前から他の街でも、ペイントを塗られたり、議論の主題になったりして、和解案として撤去する案も出されていたという。

 

また土曜日の時点で、銅像を引き倒した事件での逮捕者は出ていない。(了)

 

 

出典元:CBC:Activists topple statue of Sir John A. Macdonald in downtown Montreal(8/29)

出典元:BBC:Canada statue of John A Macdonald toppled by activists in Montreal(8/30)

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