【国際女性デー】スペインの壁に描かれた女性の肖像画が黒く塗りつぶされる
国際女性デーの3月8日、スペインの壁に描かれていた女性たちの肖像画が、黒いスプレーで塗りつぶされているのが見つかった。
マドリードの壁に描かれていた女性たち
塗りつぶされていたのは、マドリードのシウダー・リネアル区の壁に描かれていた女性たちの肖像画だ。
これらの女性たちは、「女性と平等な権利を守るための基準点となり、課題を克服し、障壁を打ち破ってきた人物」とされている。
しかし3月8日の朝、これら肖像画の顔に黒いスプレーがかけられ、塗りつぶされているのが明らかとなった。
これを行った犯人たちは現場にメモを残しており、自らを「Revolutio」と呼び、「フェミニズムがこの時代で最も嫌なものの1つだ」と書いていたという。
日本人女性も含まれていた
この壁画のタイトルは、「La unidad hace la fuerza(強さを通した団結)」。
そこには15人の女性が描かれ、アメリカ人テニスプレーヤーのビリー・ジーン・キングさんや、メキシコのアーティストであるフリーダ・カーロさん、アメリカ人歌手のニーナ・シモンさんなどが含まれていたという。
また唯一の東洋人として、日本の社会主義者で女性活動家だった管野スガさんの肖像も描かれているそうだ。彼女はジャーナリストとしての執筆活動以外にも、男女同権を求める運動に積極的に取り組んだが、最後は大逆罪で死刑を執行され、30歳に満たない若さで亡くなったと言われている。
実はこの壁画は今年1月に、塗り替えられそうになっていた。極右政党の「Vox」がこれらの絵を削除し、パラリンピック選手を紹介する別の壁画に置き換えることを提案したそうだ。
そして他の政党との連携で、一度は削除されることが可決されたが、その後多くのマドリード市民の反対を受け、壁画が残されることになったという。(了)
出典元:EL PAIS:Feminist mural in Madrid vandalized on International Women’s Day(3/8)
参考:COURRIER:マドリードの壁画に描かれた15名の「世界を変えた女性」 唯一の日本人を知っていますか?(3/9)