モロッコの警察が、国境を越えてスペイン領へ入ろうとした移民らを迫害
先週金曜日、サハラ以南に住む人々がスペイン領へ入ろうとして、モロッコの警察に暴行を加えられ、多くの死者が出ている。
スペインの飛び地との国境
その出来事が起きたのは6月24日、場所はスペイン領のメリリャとモロッコの国境とされている。
メリリャは、本国から約150kmはれた北アフリカにあるスペインの飛び地で、姉妹都市のセウタと並び、アフリカとヨーロッパの間にある唯一の陸上国境とされている。
その日、メリリャの手前のモロッコ領の山中で、サハラ以南からの移民、1500人から2000人がキャンプをしていたという。
フェンスとの間で押しつぶされ、落下する者も
やがて移民らは山から下り、棒などを手にして、国境のフェンスを越えてスペイン領へ入ろうとした。
しかしその後、移民たちはモロッコの警察官から催涙弾を浴びせられ、または警棒で殴られたそうだ。さらにこの混乱の中で、移民らはフェンスとの間で押しつぶされ、高さ6mのフェンスから落下した者もいたという。
モロッコ人権協会(AMDH)がソーシャルメディアに投稿したビデオ映像には、国境付近の地面に数えきれない移民が詰められ、遺体が積み重なり、血痕のついた衣服が見える様子が映し出されていた。
The Moroccan Association for Human Rights (AMDH) estimates that 27 people have died trying to cross the border from Morocco to Spain. #Africa pic.twitter.com/cOsoko49zv
— Amir 🟥 (@amir_mohad) June 25, 2022
地元のNGOは死者数が37人と報告
この混乱により、モロッコ当局は23人の移民と2人の警察官が死亡したと発表した。
しかし地元のNGOによれば、移民の死者数は37人にのぼるという。さらに数十人が負傷し、その多くがモロッコの病院に入院したと報告されている。
また合計133人の移民が何とかメリリャにたどり着き、法的地位が調査される間、同市の移民一時滞在センターに収容されたそうだ。
スーダンからメリリャにたどり着いた青年、アミールさんは、ニュースサイト「elDiario.es」に対し「モロッコの警察に殴られ、仲間を殺された、何故かわからない」と語っている。
また同じくスーダン人男性のカリンさんは「モロッコ人にたくさん殴られた。弾圧はとてもひどかった。あんなことは初めてだ」と述べたという。
死亡した移民は月曜日に埋葬される予定だったようだが、AMDHによると、遺体の身元確認や検視は27日の時点でも行われていなかったようだ。(了)
出典元:BBC:Melilla migrant deaths spark anger in Spain(6/27)