大型のネコ科動物20頭が、鳥インフルエンザに感染して死亡
アメリカのワシントン州にある野生動物保護施設で、数多くの大型のネコ科動物が、鳥インフルエンザにかかって死亡した。
「かなり恐ろしいウイルスだ」
ワシントン州の町、シェルトンにある「Wild Felid Advocacy Center」では、ベンガルトラ1頭、クーガー4頭、オオヤマネコ1頭、ボブキャット(ヤマネコ)4頭を含む、大型のネコ科動物20頭が高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)に感染して死亡したという。
アメリカでは鳥インフルエンザが、家禽や乳牛の群れに急速に広がり、飼いネコが感染して死亡しており、ルイジアナ州では、人が重症化する事態になっているそうだ。
同センターの所長マーク・マシューズ氏は、大型のネコ科動物は11月下旬から12月中旬の間に死亡したとし、「このようなことは今までになかった。通常は老衰で死ぬことが多い。このようなことは起きない。かなり恐ろしいウイルスだ」と語っている。
3頭のネコ科動物が回復
今から約3週間前、「Wild Felid Advocacy Center」は動物の一部が、原因不明の病気にかかっているとして、一時的に一般公開を中止すると発表。しかし12月6日には、一部のネコ科動物に、鳥インフルエンザの存在を確認したと明らかにした。
そして先週には、ネコ科動物の半数以上が、鳥インフルエンザに感染したと発表していた。
すでに同センターは、感染した動物を隔離し、他の動物や一般の人々を守るために消毒を行うなどし、厳格なバイオセキュリティ対策を実施しているという。
現時点で、3頭のネコ科動物はウイルスから回復したが、1頭は12月24日時点で、依然として危篤状態だとされている。
「Wild Felid Advocacy Center」は声明で「猫はこのウイルスに特に弱い。このウイルスは、最初わずかな症状しか現れないが、急速に進行し、肺炎のような症状で24時間以内に死亡することが多い」と指摘している。
カリフォルニア州では今年、乳牛の群れのほとんどが感染し、鳥インフルエンザ(H5N1型)の陽性反応を示しており、テキサス州の酪農場では今年初め、感染した生乳を飲んだ後に、納屋に住んでいた12匹の猫が死亡していたという。
またアメリカでは少なくとも61人に鳥インフルエンザの感染例が報告されており、ほとんどの人の症状は軽度だとされている。(了)
出典元:The Guardian:Twenty big cats die of bird flu at sanctuary in Washington state(12/25)