伊で「ネオファシスト」のメンバーが集会、野党が極右団体の禁止を求める
イタリアのローマで、極右団体「ネオファシスト」のメンバーらが多く集まり、敬礼する動画が投稿された。
年次集会で敬礼
「ネオファシスト」のメンバーは1月7日、政治結社「イタリア社会運動(MSI)」の旧本部前に集まったという。
この集会は毎年行われており、今回は党青年部の3名が殺害されてから46周年を記念するために集まったそうだ。
ネット上に投稿された動画には、男たちが並び、力強く敬礼し、「倒れたすべての同志のために!」と叫ぶ姿が映っていた。
Roma, Italia, 2024.
Vergogna di Stato. #AccaLarentia pic.twitter.com/yR7VtvmfVR— Paolo Berizzi (@PBerizzi) January 7, 2024
別の名前を使用し、禁止を免れる
ムッソリーニ率いる「ファシスト党」は、1922年10月に権力を掌握。1924年4月の総選挙で大勝利を収めた後、独裁政治を行い、イタリアの複数政党制を消滅させた。
しかし第2次大戦後、イタリア憲法では「ファシスト党」の再結成や、イデオロギーやプロパガンダを広める行為も禁止されたそうだ。
ただし、ムッソリーニ政権時代の大臣、ジョルジョ・アルミランテ氏によって設立された政治結社「イタリア社会運動(MSI)」などのネオファシストグループは、別の名前を使用し、別の政治勢力であると主張することで禁止を免れたという。
その後、MSIの流れを汲む政党「イタリアの同胞」が2018年に、現在のイタリアの女性首相、ジョルジャ・メローニ氏によって設立された。
イタリアの各政党が解散を求める
今回の動画がネットで拡散されたことを受け、中道左派である「民主党」のエリー・シュライン党首は、SNSにおいて「ローマ、2024年1月7日。まるで1924年のようだ。起きたことは容認できない。憲法に明記されているように、ネオファシストグループは解散しなければならない」と書き込んだ。
また中道のアツィオーネ党のカルロ・カレンダ党首も、「これは欧州民主主義において、容認できない恥辱だ」と非難した。
さらに政党「5つ星運動」も「ファシズムからの謝罪」を求め、検察に告訴状を提出すると発表した。(了)
出典元:The Guardian:Meloni urged to ban neofascist groups after crowds filmed saluting in Rome(1/8)