コロンビア政府がイスラエルとの国交を断絶、トルコも貿易を全面停止
南米のコロンビア政府は5月2日から、イスラエルとの国交を断絶すると明らかにした。
ナチス・ドイツの行動と同じ
コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は5月1日、首都のボゴタで開催されたメーデーの集会において、ガザ地区でイスラエル軍が行っている行為を「ジェノサイド(大量虐殺)」と表現した。
その上で「明日、イスラエル国家との国交は断絶されるだろう、大量虐殺的な指導者がいるからだ」と述べ、「我々はパレスチナを死なせるつもりはない」と語ったという。
歴史的に、コロンビアはラテンアメリカにおいて、イスラエルにとって最も緊密なパートナーの1つだったという。
しかし、2022年に左派のグスタボ・ペトロ氏が大統領に選出されて以降、両国関係は冷え込んだそうだ。
ペトロ大統領は以前も、ガザ地区でのイスラエルの行動を「虐殺」と表現し、ナチス・ドイツに例え、すでにイスラエルからの武器購入を停止していた。
今回の国交断絶の発言を受け、イスラエルのカッツ外相は即座に非難。ペドロ大統領が「ハマス」側に立ったことは、「歴史が覚えているだろう」と述べたという。
トルコが貿易を全面的に停止
またトルコ政府も、ガザ地区における人道状況の悪化を受けて、イスラエルとの貿易を全面的に停止すると明らかにした。
トルコの貿易省は5月2日、「イスラエルに関連する、輸出入取引はすべての製品を対象に停止された」と発表した。
その上で、「イスラエル政府が、ガザ地区への人道援助を途切れなく、十分な量の流入を許可するまで、トルコ政府はこれらの新たな措置を厳格かつ断固として実施する」と述べたという。
これに対しても、イスラエルのカッツ外相は、エルドアン大統領が「独裁者のように振舞っている」と非難。その上で「イスラエルは現在、貿易の代替手段を模索しており、国内生産や他国からの輸入にも頼る」と述べた。
トルコとイスラエルはかつて、緊密な同盟関係にあったが、ガザ侵攻以来、エルドアン大統領はイスラエルを痛烈に非難し、「今世紀、最悪のジェノサイドだ」と発言していた。
イスラエルが国連事務総長も批判
またイスラエルの外務省は、国連のアントニオ・グテーレス事務総長に対しても「憎しみを煽り、フェイクニュースを広めた」として非難している。
グテーレス事務総長は今週初め、ガザ地区で無数のパレスチナ人の遺体が発見されたことを受け、「非常に驚いている」と発言。埋葬されたパレスチナ人の一部が拷問を受けていた証拠も示しながら、グテーレス事務総長は即時に独立調査を求めたが、結局アメリカの支持は得られなかったという。
イスラエル側は、数多くのパレスチナ人の遺体が発見されたことについて、「以前、パレスチナ人が埋葬した遺体を、人質捜索のために調査し、元の場所に戻した」と主張していた。
一方、イスラエル国内では、イスラエル人の男性が、ネタニヤフ首相の乗った車列を襲撃し、逮捕されたとの情報も流れている。(了)
出典元:The Guardian:Turkey stops all trade with Israel over ‘humanitarian tragedy’ in Gaza(5/2)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: Hamas studies Gaza proposal in ‘positive spirit’(5/2)
出典元:The Guardian:Colombian president says government will sever Israel ties over Gaza ‘genocide’(5/1)