ネタニヤフ首相、イスラエルへの武器供給を滞らせているとし、米政権を批判
イスラエルのネタニヤフ首相が、武器供給を遅らせているとして、アメリカ政府を批判した。
ビデオ声明でバイデン政権を批判
ネタニヤフ首相は6月18日、ビデオ声明において、「アメリカ政府がここ数カ月、イスラエルへの武器と弾薬の供給を滞らせていることは、信じられない」と述べ、批判した。
ネタニヤフ首相によれば、アントニー・ブリンケン国務長官が先週、イスラエルを訪問した際、武器輸送の障害を取り除いていることを保証したという。
その上で、同首相は「そうであることを願っているし、そうなるべきだ」と述べたという。
アメリカ政府は先月、ガザ地区南部のラファへの攻撃で、民間人の犠牲者が出たことを懸念し、イスラエル軍への900kg爆弾の供給を停止した。
しかしそれ以外の武器支援は続けており、さらにバイデン政権は、イスラエルへ「F-15」戦闘機を50機売却するよう、反対していた民主党議員に圧力をかけ、承認させたという。
ブリンケン国務長官も、イスラエルへの武器供給を続けているとしながらも、大型爆弾については供給停止を継続していると、記者団に語っていた。
ガザ地区中部への攻撃で17人が死亡
ガザ地区中部では18日にも、2度にわたるイスラエル軍の攻撃が行われ、17人のパレスチナ人が殺害された。
最初の攻撃では、南部のラファから中部のヌセイラトに避難した家族の住む家が狙われ、女性と子供を含む10人が死亡。しかも、まだ他の人々が、瓦礫の下に取り残されているという。
その1時間後には2度目の攻撃が行われ、別の家族の家が狙われて、両親と子供、祖父母も殺されたそうだ。
また北部のガザ市でも、イスラエル軍の空爆が行われ、1人が死亡、2人が負傷した。
ガザ地区のメディア局は18日、食料や栄養補助食品、ワクチンなどの援助が不足しているため、3500人の子供が栄養失調で死亡する危険にさらされていると警告した。
その上で「我々は国際社会と自由世界のすべての国に対し、国際法に違反するこの犯罪を非難するよう求める」と訴えたという。
「ラファでの作戦目標が達成間近」
アメリカのワシントン・ポスト紙は、イスラエル軍高官の話として、「ガザ地区南部のラファでの作戦目標が、達成間近になっている」と報じた。
このことはガザ地区での戦闘が、緩やかな新たな段階に代わる可能性が示されているが、イスラエル軍の高官は「ゲリラ戦は決して終わらない。我々の現在の目標はラファの旅団を倒すことであり、我々はそれを実行中だ」とも述べたという。
またパレスチナの「Wafa」通信は、イスラエル軍がヨルダン川西岸地区で、3人の若者を射殺したと報じている。
この事件が起きたのはヨルダン川西岸地区のBeit Ummarの町で、イスラエル軍が実弾を発砲し、3人の若者が射殺され、1人の少年が実弾で足を負傷、他の少年たちも金属弾と破片で負傷したという。(了)
出典元:Al Jazeera:Israel war on Gaza live: Gaza gov’t says 3,500 children at risk of dying(6/18)