「アムネスティ・インターナショナル」が、イスラエルのガザ地区への攻撃をジェノサイドと認定
世界最大の国際NGO「アムネスティ・インターナショナル」は、イスラエル軍がガザ地区で、大量虐殺(ジェノサイド)を行っていると断定した。
目撃者への取材やデジタルの証拠を分析
「アムネスティ・インターナショナル」は12月5日、「『人々は自分が人間以下だと感じている』:ガザ地区における、イスラエルのパレスチナ人に対する大量虐殺」というタイトルの報告書を発表した。
これまでも「アムネスティ・インターナショナル」は世界中に調査団を送り、人権侵害の被害者から直接話を聞き、独自に調査してきた。
今回の報告書も、広範な目撃者のインタビューや衛星画像を含むデジタル素材の分析、イスラエル政府および軍の高官による発言などを通して、9カ月以上にわたる調査をまとめたものとされている。
報告書の中で「アムネスティ」は、イスラエルのガザ地区における行動が、ジェノサイドの法的要件を満たしていると、結論付けたという。
Month after month, the world has watched as Israel treated Palestinians in Gaza as a subhuman group unworthy of human rights and dignity, demonstrating its intent to physically destroy them. pic.twitter.com/CcbvtP6XxK
— Amnesty International (@amnesty) December 5, 2024
「劣等集団として扱い、物理的に破壊」
「アムネスティ」は、イスラエル軍が、1948年のジェノサイド条約で禁止されている5つの行為のうち、少なくとも3つの行為を犯していると断言。
その3つとは、「民間人の無差別殺害」、「深刻な身体的または精神的危害」、及び「物理的破壊をもたらすことを計算した生活状態を、ガザ地区にいるパレスチナ人に故意に課すこと」などとしている。
その上で、「アムネスティ・インターナショナル」のアグネス・カラマール事務総長は、次のように非難した。
「イスラエルは月日を重ねるごとに、ガザ地区のパレスチナ人を人権や尊厳に値しない劣等集団として扱い、彼らを物理的に破壊する意図を示している。我々の調査では、イスラエルが、ガザ地区のパレスチナ人に与えている取り返しのつかない危害を十分に認識しながら、何カ月にも渡って大量虐殺行為(genocidal acts)を続けていることが明らかになった」
「イスラエルは、壊滅的な人道状況に関する数え切れない警告や、ガザ地区の民間人への人道支援の提供を可能にするための即時措置をイスラエルに命じた国際司法裁判所(ICJ)の法的拘束力のある判決を無視して、大量虐殺行為を続けている。我々の調査結果は、国際社会への警鐘となるはずだ。これは大量虐殺(ジェノサイド)だ。今すぐ止めなければならない」
またカラマール事務総長によれば、今回の調査でも、イスラエルの意図がガザ地区のパレスチナ人の物理的破壊であるという、合理的な結論しか見出せなかったという。
さらに「アムネスティ」は報告書の中で、「イスラエル側の主張、つまりガザ地区の民間人の中にいるハマスやその他の戦闘員を合法的に標的にしており、故意にパレスチナ人を標的にしているわけではないという主張は、精査するに値しない」と述べている。
一方、イスラエル外務省は「アムネスティ」の報告書について、「完全に虚偽」だとして非難しているそうだ。
ガザ北部の病院で29人が殺害される
イスラエル軍は12月6日も、ガザ地区全土を攻撃しており、北部のベイト・ラヒヤにあるカマル・アドワン病院では、空爆により少なくとも29人が死亡。
中部のヌセイラトでも、住宅がイスラエル軍に空爆され、3人の子供を含む、少なくとも14人のパレスチナ人が殺害された。
医療関係者の話によれば、6日には夜明け以来、合計で51人のパレスチナ人が殺されたという。(了)
出典元:Aljazeera:Amnesty International accuses Israel of committing genocide in Gaza(12/5)