トランプ大統領、イスラエルへの大型爆弾の提供再開を命じる
アメリカのトランプ大統領は、前政権で輸送停止されていた2000ポンド(約900kg)爆弾を、イスラエルへ再び提供するよう命じた。
約900キロの爆弾の提供再開
ジョー・バイデン前大統領は2024年5月、イスラエルへ2000ポンドの大型爆弾を提供することを停止した。
当時、バイデン前大統領は、提供停止の理由について、これらの兵器がガザ地区の人口密集地で使用され、民間人の大量死につながっている点を挙げていたという。
しかしアメリカ政府の関係者は、ABC Newsに対して、「トランプ大統領が、イスラエルへの2000ポンド爆弾の輸送停止を解除するよう命じた」と明らかにした。
The White House has instructed the US military to release a hold imposed by Former US President Joe Biden’s administration on the supply of 2,000-pound (900kg) bombs to Israel, reports Axios, citing three Israeli officials.
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— Al Jazeera English (@AJEnglish) January 25, 2025
イスラエルやエジプトを除く対外援助も停止
またトランプ大統領は1月20日、効率性と外交政策との一貫性の見直しを待つ間、対外開発援助を90日間停止するという大統領令に署名した。
これによりアメリカ国務省は、既存のほぼすべての対外援助を停止。新たな援助についても中止したという。
しかし例外としてイスラエルとエジプトへの軍事支援は継続され、緊急食糧援助も続けられるそうだ。
トランプ大統領は、外交政策の目標に沿っていることを確認するため、85日以内にすべての対外援助の大規模な審査を完了するよう命じた。
ガザ地区からパレスチナ人の追放を提案
さらにトランプ大統領は1月25日、記者団に対し、包囲されたガザ地区を「一掃」する時が来たと語り、ヨルダンとエジプトに、ガザ地区のパレスチナ人を一時的または永久的に受け入れるよう求めたという。
このパレスチナ人をガザ地区から追放するというトランプ大統領の提案は、「民族浄化」への懸念を引き起こしている。
パレスチナ自治政府は1月26日、トランプ大統領の提案について「レッド・ライン」を超えていると非難。ガザ地区の住民は、その土地に留まると主張した。
またヨルダンとエジプトも、パレスチナ人の追放を断固として拒否。パレスチナ人をガザ地区へ留めておく決意は、「固く揺るぎない」ものだと述べたという。
レバノンでは22人が死亡
一方レバノンでは、イスラエル軍が「ヒズボラ」との停戦合意に基づき、南部から撤退する予定だった日に攻撃を行い、少なくとも22人の民間人が死亡、多数が負傷した。
これらの攻撃は約20カ所で行われ、当時多くのレバノンの民間人がイスラエル軍の撤退に伴い、自宅へ帰還しようとしていたという。
イスラエル軍は、「ヒズボラ」の旗を掲げた車両が部隊の活動地域に接近し、脅威を排除したと発表。しかし「ヒズボラ」は、明らかな停戦違反だとして、停戦合意を仲介したアメリカやフランス政府に対して、イスラエル軍を撤退させるよう強く求めた。(了)
出典元:ABC News:Trump resumes shipment of 2,000-pound bombs to Israel, reversing Biden-era hold on the weapons(1/26)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israeli civilian to be released from Gaza before next prisoner swap(1/26)