オーストラリアの議員、国会スピーチでサーモンを持ち出す

今月26日、オーストラリアの国会で、Sarah Hanson-Young上院議員がデスクの下から大きなサーモンを出し、周囲に振りかざして見せるという場面があった。
養殖業者を保護する法案に反対
Hanson-Young議員がこのようなことをしたのは、タスマニア島のサーモン養殖業者を保護する法案に反対するため。
審議中のその法案は、タスマニア島西岸にあるマッコーリー湾での養殖を完全に認める内容で、成立すれば、環境への影響を評価したり環境破壊を理由に養殖の中止を求めたりすることが困難になる。タスマニア島は世界遺産に登録されている。
オーストラリア緑の党のHanson-Young議員は、政府が「有毒な汚染源である」サーモン養殖業者を守るために環境保護政策を「骨抜きにしようとしている」として、この法案に反対。サーモンを持ちながら「腐りかけて有毒なサーモン養殖業者が環境保護法の対象から除外されるとなれば、次はどんな有毒産業が除外になるのか?」と声を上げた。
Greens senator Sarah Hanson-Young just pulled out a very large dead salmon in the Senate in a protest over the environmental laws and salmon farming 🐟 pic.twitter.com/GEfCFNC7vs
— Josh Butler (@JoshButler) March 26, 2025
顔をしかめる他の議員
海外メディアによれば、死んだサーモンを持ちながらスピーチする彼女の後ろでは、他の議員が顔をしかめたり、笑ったりしていたという。また、生臭さに耐えられないというように鼻の前を手で扇ぐ仕草をした議員もいたそうだ。上院議長は彼女に「小道具」をしまうようにと注意した。
この法案を推し進めるオーストラリア労働党は、養殖場の雇用を確保するために、法案成立が必要だと主張する。アンソニー·アルバニージ首相は「雇用を維持するのは当然のこと」と考えている。
一方で緑の党や環境保護団体は、海洋汚染と海洋生物への悪影響を危惧している。例えば、絶滅危惧種であるガンギエイの1種(maugean skate)は、タスマニア島近辺の2つの湾にしか生息していないそうだ。(了)
出典元:Reuters:Australian senator wields dead salmon in Parliament to protest farming laws(3/26)
出典元:Metro:Why on earth has an Australian MP just whapped out a salmon in parliament?(3/26)