X_Bruce Springsteen/Rob DeMartin

アメリカのトランプ大統領は5月19日、昨年の大統領選で民主党候補のカマラ・ハリス氏を支持した著名人を調査するよう求めた。

金を受け取ったのか調査を求める

トランプ氏は19日、SNSへの投稿で、ハリス氏を支持した著名人、ビヨンセやオプラ・ウィンフリー、ブルース・スプリングスティーンらを批判。

「カマラ・ハリスは大統領選でのブルース・スプリングスティーンのパフォーマンスに対し、いくら支払ったのか？彼が彼女のファンなら、なぜあんな金を受け取ったのか？これは多額の違法な選挙献金ではないのか？そしてオプラとボノにはいくら渡ったのか？？」と投稿し、この問題について「徹底的な調査を求める」と述べたという。

またトランプ氏は、根拠を示さず、ビヨンセがハリス氏を支持するために1100万ドルを受け取ったと主張。

「これは最高レベルの違法な選挙詐欺だ！違法な選挙資金だ！ブルース・スプリングスティーン、オプラ・ウィンフリー、ボノ、そしておそらく他の多くの人々が、多くの説明責任を負わなければならない！」と述べたという。

裏付ける証拠を一切示さず

スプリングスティーンさんは5月14日、イギリスのマンチェスターでの公演で、トランプ政権を批判し、「腐敗まみれで無能、反逆的」と酷評。「民主主義とアメリカの最善の経験を信じるすべての人に、共に立ち上がってほしい」と呼び掛けた。

この発言を受け、トランプ氏はSNSに「アメリカ大統領のことを悪く言うために外国へ行った」と投稿し、スプリングスティーンさんを批判した。

トランプ氏は、以前からハリス氏を支持、あるいは何らかの形で支援した複数の著名アーティストを批判してきた。またハリス氏が支持を得るために著名人に金銭を支払ったという、トランプ氏の主張も、決して新しいものではない。

しかしトランプ氏はそれを裏付ける証拠を一切示しておらず、ハリス陣営も、支持表明のために誰かに金銭を支払ったことを否定しており、関与した著名人たちも、支持表明に対する報酬を否定しているという。

イベントで制作会社が支払いを受ける

ただ選挙資金報告書によると、オプラ氏の制作会社「ハーポ」は、ハリス陣営からタウンホールイベントの費用として100万ドル（約1億4000万円）を受け取っており、ビヨンセ氏の制作会社には16万5000ドル（約2300万円）が支払われたという。

オプラ氏の制作会社は、このイベントで舞台装置や照明、カメラ、スタッフ、プロデューサー、ベンチ、椅子など、イベントの実施に必要なあらゆるものを手配したとし、制作に関わった人たちには報酬が必要であり、それが支払われたと主張。

またビヨンセ氏の母親であるティナ・ノウルズ氏も、「ビヨンセがヒューストンで行われたカマラ・ハリス副大統領の集会で演説した時にも、一銭も受け取っていない」と主張し、衣装や航空券代も自費だったと述べている。

連邦選挙委員会によれば、連邦の選挙運動では、有名人やインフルエンサーにスポンサー費用を支払うことに対する規制を設けておらず、また支払いが適切に開示されている限り、トランプ氏が示唆したような違法な寄付とはみなされないという。（了）

出典元：The Guardian：Trump claims without evidence that celebrities were paid to endorse Harris(5/19)

出典元：ABC News：Trump calls for ‘major investigation’ into Kamala Harris’ celebrity endorsements(5/20)